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コラム

総局長日記

力をくれる言葉[2月22日号]

 競泳女子の池江璃花子選手が12日、ツイッターで白血病を明らかにしました。リオ五輪では高校1年で7種目の代表。昨年のアジア大会で6冠に輝いたトップ選手だけに、発表は大きな衝撃を呼びました。

 自らも気持ちが混乱していると打ち明けます。そんな中、自分が練習や試合を休む影響の大きさを計って発信する18歳の言葉に、アスリートとしてのプロ意識を感じます。逆に「がっかりしている」などと発言した閣僚のお粗末さが際立ちました。

 年間新たに100万人ががんを患いますが、15歳以上40歳未満は2万人と少数派。治療に加えて学業や就職、結婚など世代特有の悩みは大きいのに研究や治療上の配慮は乏しく、相談相手が少ない。AYA(アヤ)世代と呼び、対策が急がれています。

 小欄で以前紹介した元テレビ局記者の鈴木美穂さんは、24歳で乳がんを患った体験から若い世代の患者団体「STAND UP!!」を立ち上げました。患者家族の相談支援拠点「マギーズ東京」も、彼女の思いが大きな原動力。2016年の設立記念冊子は、がん経験者から募った「チカラをくれた言葉たち」を特集します。「人生は変えるな」「また会いましょう」「大丈夫」…。

 30代で乳がんを経験した桜井なおみさんの著作「あのひとががんになったら」(中央公論新社)には言われてうれしい言葉、傷つく言葉が並び、「頑張って」は諸刃の剣だと注意を促します。自分なら、家族なら、友人なら、職場の仲間ならどう向き合うか。知恵と思いの詰まった一冊を、かの閣僚に贈りたくなりました。(朝日新聞社前橋総局長 岡本峰子)

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上州日和

振り返り[2月22日号]

 「後輩たちに現在のお仕事や学生時代について話してもらえませんか?」 昨夏、県立女子大の小林良江学長から後期授業の一コマを打診された。軽い気持ちで引き受けたものの、講義が近付くにつれ気が重くなってきた。

 大学生活の思い出や就職活動、入社後の仕事内容、職場での役割について40~50分喋らなければならない。遠い記憶を引っ張り出しながら当時の状況や心境を時系列で書き出していく。「あの時ああしていれば」 嫌だったことや忘れたい過去が鮮明に蘇ってくる。一方、今こうしているのは偶然ではなく必然の積み重ねだったのだなあと妙に納得したり。

 先月行われた講義では、「特に困難だったことや失敗談を話して欲しい」という小林学長のリクエストを受け、就活や転職での挫折経験など隠しておきたかった事実も率直に後輩たちに伝えた。かなり恥ずかしい体験だったが、お蔭で自分の行動や考え方の癖、漫然と抱えていた不安や不満、置かれている状況や課題などを客観視できたし、それらの改善の糸口が少しつかめたような気がした。

 卒業シーズンは人生の節目の季節でもある。環境の変化に不安になったり現状に納得していない人もいると思うが、これまでの歩みを冷静に見つめ直すことで多くの発見や気付きが得られるだろう。自分を知ることは、新たな一歩を踏み出す力になる。少々面倒な作業だが、新年度に向け自分の歴史を振り返ってみてはいかがだろうか。(中島美江子)

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