朝日ぐんまって?
朝日フォトコン
コラム 
上州日和
旅の恥  [8月25日号]

 帰省のおり、新潟の実家近くの海で5、6年ぶりに釣り糸を垂れた。
以前に比べ、港の突堤はあちこちに金網が張られて「入場禁止」。テロ対策だそうで、釣り場は極端に狭められていた。だから、少なくなった釣り場は大にぎわい。とりわけ、お盆のこの時期は、車のナンバーは地元より県外が圧倒的だ。
 場所を決めてふと足下を見ると、仕掛けが点々と落ちている。
 同行した地元の知人は、「地元の人は捨てないよ、よく来るから。遠くからの人がポイポイやっていくんだ」という。
 肝心の釣果は、2時間あまりでアジを中心にサヨリ、サバなどがたっぷり。5〜10cmの小物ばかりだが、新鮮だから空揚げの味は格別だった。
 それにしても、あの仕掛けの散乱は見るに堪えない。鳥が重りの鉛を飲み込んだり、糸を足に絡ませたり…の報道が時おり流れる。これだけ声高に「自然を大切に。ゴミは持ち帰ろう」と言われているのに、いまだに「旅の恥はかき捨て」が横行しているとは。鳥にとって置き去りの仕掛けはテロなのだろう。
 人間にとっても、釣果の味は良かったが、後味の悪さが残った。(南保)


冷や汗  [8月18日号]

 先日、久しぶりに冷や汗をかいた。
 8年前にオーストラリアで出会ったイギリス人の友人が突然、仕事場にやって来た。なんでも長期休暇を取って日本に来たらしく、共通の友人が、私を驚かせようとアポなしで群馬まで連れてきたのだ。
 喜びや驚きの表現は、万国共通。だが、再会の興奮がひと段落すると、次の瞬間には、たたみ掛けるように英語で質問され、自分の口は完全に固まってしまった。近況報告くらいはしたかったが、全く会話にならない。中学生レベルの簡単な単語すら出てこない自分の英会話力にあきれ、ただただ、苦笑いすることしかできなかった。額から流れる汗は、暑さから発生したものではなかった。
 現在の仕事に就く前、オーストラリアとイギリスを長期間に渡って旅行して歩いた。今回の友人ともその時に安宿で知り合った。
 各地で恥を積み重ねながら、英語での自己紹介くらいは出来るようになったつもりでいた。だが、ひと昔前に築いた、ささやかな自信は、友人の来訪によって音を立てて崩れ去った。
 東京へと向かう友人を笑顔で見送りながら、この夏、再び英会話のテキストを開くことを強く決意した。(伊藤)


桐生人の心意気  [8月11日号]

 先日、351年の歴史を持つ桐生祇園祭に出掛けた。5年ぶりとなる同市本町3丁目の「翁鉾」と同4丁目の「四丁目鉾」による曵き違いを、間近で見たかったからだ。
 関東随一の規模を誇る四丁目鉾は午後6時過ぎに、江戸後期に造られた翁鉾はその30分後に出発した。総勢約200人に曵かれた2基は徐々にその距離を縮め、午後7時半過ぎに対峙。金塗りの絢爛豪華な翁鉾に目を奪われ、四丁目鉾最上部の人形・素盞鳴尊の鋭いまなざしに圧倒された。
 鉾上でお囃子の競い合いが始まると、通りを埋め尽くした観客から大きな歓声が上がり、祭りは最高潮に達した。その臨場感は、立ち会った人しか味わえない。「町会役員や世話方、そして集まってくれた人たちの心が一つになった」-天王番を務めた3丁目の新井隆会長が、祭りの雰囲気を見事に言い当てている。
 織都桐生の栄華を今に伝える鉾の保存は容易ではない。さらに、動かすとなると巨額の費用と多くの人手が必要になる。それでも「曵き違い」を実現させたのは、「先人が残した文化遺産を守り、生かし、後世に伝えていく」という使命感からだ。桐生人の心意気に拍手を贈りたい。(中島)


夏休み映画三昧  [8月4日号]

 土、日曜日の番組時間表が載る朝日ぐんまの「週末映画情報」を、掲載当初から担当している。自分も映画好きなので、楽しく仕事をさせてもらっている。 
 しかし、頻繁に映画館に足を運んでいるかというとそうでもない。作品をホームページや様々な映画のサイトで調べたりしているうちに、おなかいっぱいになって、自分では見た気になってつい見逃したりしている。情報過多の頭でっかち人間によくある傾向だ。
 なので今年の夏は頻繁に映画館に足を運ぶことにした。7月中には「海猿」「デス・ノート」「タイヨウのうた」「カーズ」「日本沈没」「はちみつとクローバー」「ゲド戦記」などを見た。
 どの映画にも言えることだが、臨場感がいい。自分の部屋では味わえない音の迫力がある。
 最近は原作ものが多いので、映画の中で疑問に感じたり分からなかったことを知ろうと、帰りに書店で原作本や謎とき本などを購入する。これでさらに深く作品が理解できる。角川書店で以前、「読んでから見るか? 見てから読むか?」というキャッチコピーがあったが、まさにその繰り返しだ。(萩原)


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