朝日ぐんまって?
朝日フォトコン
コラム 
上州日和
才能高め合う夫婦 [5月25日号]

 カボチャを担ぎ高笑いする男と洋傘を手にすっくと立つ女-幕末の写真師夫妻による2枚のモノクロ写真は、被写体の内面を鮮やかに写し取っている。男は写真師・洋画家として活躍した洋学者島霞谷で、女は霞谷の妻隆だ。お互いを撮影し合った写真は、県立歴史博物館で開催中の「島霞谷と島隆」展(来月3日まで)で目にする事が出来る。
 1855年に結婚した2人は関東周辺を遊歴。その間、霞谷は隆に写真術を伝授。44歳で霞谷が急逝した後、隆は郷里桐生で写真館を開業、写真家として活躍し77年の生涯を閉じた。
 会場には夫妻の写真など約130点が並ぶ。「和製ダヴィンチ」と呼ばれた奇才霞谷と、日本初の女性写真師隆の豊かな才能に圧倒される。と同時に互いの個性を尊重し高め合った夫婦の絆に羨望を覚えた。
 前出の写真から透けて見えてくるのは、相手に寄せる深い愛情と信頼、そして表現者としてのフラットな関係性だ。今でこそ一般的だが、当時の夫婦関係としては異色だったという。既存の価値観に捕らわれない、2人のしなやかな感性が伝わってくる。島夫妻の功績だけでなく、「理想的な夫婦像」をも見せてくれる展覧会だ。(中島))


フン害 [5月18日号]

 犬のフン害はたびたび問題になるが、我が家を悩ませるのは猫害。
 陽気が良くなって、日ごろの無精を反省しつつ「軒下にでも花の種をまこうか」と思っても、猫(野良? 放し飼い?)がいつの間にか掘り返し、時折くさいお土産まで置いて行く始末。猫よけ用のかんきつ系の粒をまいたこともあったが、効果があったのは最初の1、2ヵ月だけ。猫の額ほどの庭も、いまでは猫たちは我が物顔で入り込んでくる。
 昨年から種まきはプランターを使い、ネットを被せるようにした。さすがにネットを外すことはないものの、空いた軒下は猫の天下。好き放題に掘り返す。猫が嫌うという散水に励むが、わずかでも乾くとソロリソロリとやって来て、また掘り返す。いくつかの退治法を家人に提案したこともあったが、猛烈に反対されて、断念。
 犬と違って猫は首輪も予防注射も必要ないから気軽に飼える。筆者も、その表情はかわいいと思うし、猫っかわいがりしたくなる気持ちも分かる。しかし、逆に疎ましく思う人も多いことだろう。愛猫へのしつけもお願いしたいものだ。
 我が家ではきょうも、猫とのイタチごっこが続く。(南保)


ギャップ [5月11日号]

 先日、リクルートスーツを身にまとった大学生たちに出くわした。もうそんな季節かと思い、大手企業の人事課にいる知人にそれとなく聞いてみたら、今春の就職活動は例年以上に早まっているという。
 就職活動の早期化は今に始まったことではないが、今年は「景気回復」と「団塊世代の退職」が後押しし、さらに拍車がかかっているそうだ。優秀な学生を確保するため、多くの大企業が早い段階で「内々定」を出し、08年の新卒採用はすでに終盤に差し掛かる。
 リクルート(東京都)の研究機関が発表した08年3月卒業予定者の大卒求人倍率は、16年ぶりに2倍を超えて2・14倍。求人総数はバブル期を上回る93・3万人を記録し、84年の調査開始以来最高となった。知人の企業は、この超売り手市場で予定採用人数を確保するため、苦労しているという。
 バブル崩壊後の就職氷河期を体験した自分にとって、この状況はうらやましい限りだが、不景気が生み出した20代後半から30代前半のフリーターや派遣社員の問題を抱えたまま、新卒求人だけが伸び続けることには少し不安を感じる。世代間で生じるギャップが、社会を歪(いびつ)な構造にしなければよいと思う。(伊藤)


リベンジなるか [5月4日号]

 GWも後半。前半は県内をうろうろしていたので、後半は東京に出かけるつもりだ。お目当てはサントリー美術館が入った東京ミッドタウン。同館、国立新美術館、森美術館 - 六本木に三角形を描くように位置する3館は、「六本木アートトライアングル」と呼ばれ新たなアートの拠点となっている。
 先月、お上りさんよろしく3館を巡ろうとしたが甘かった。六本木駅を出た瞬間、ぞろぞろ進む人波に遭遇。ゲンナリし、サントリー美術館はあきらめ他の2館へ。森美術館の「笑い」にスポットをあてた展覧会(6日まで)は単純に楽しかったが、印象に残ったのは国立新美術館の「モネ展」(7月2日まで)だ。
 「日傘の女性」「睡蓮」など、名画をまとめて見ることで彼の豊かな創造性と革新性が再認識できた。新鮮だったのは、会場に並んだ県立近代美術館の収蔵品。2作品の印象がガラッと変わっていたのに驚いたが、どちらも良い作品で群馬人として誇らしかった。
 2館とも、さほど込んでなかったのは東京ミッドタウンのお陰だろう。あれから1カ月。強烈な熱気も、そろそろ冷めつつあるのではないか。そんな淡い期待を抱き、リベンジを果たそうと思っている。(中島)


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