朝日ぐんまって?
朝日フォトコン
コラム 
上州日和
イノセンス [6月22日号]

 デビュー作から一昨年のベネチアビエンナーレ出品作「マザーズ」まで、一貫して被写体に宿る時間の痕跡や記憶を表現してきた石内都(桐生出身)。彼女の個展「INNOCENCEキズアトの女神達」(〜来月5日)が、東京のツァイトフォトサロンで開かれている。
 乳首を失った胸、線のような跡が残る手首、やけどを負った足?会場には女性の傷痕を撮影した写真が並ぶ。誰にもある心身の傷や痛みにズシリと訴えかけてくる作品だ。しかし、タイトルのイノセンスが腑に落ちない。率直な疑問を石内さんにぶつけてみた。「女性の傷って絶対的に無垢なのよ。その意味はあなた自身が考えなさい」。
 返って来た答えを反すうしながら、再び作品を眺めた。撮影を許した女性と、その傷を真摯に見詰める石内氏。傷をさらけ出し撮影することで、両者はそれぞれの傷を受け入れ癒し昇華しようとしているのではないか。その心の在り方がイノセンスなのではないか。
 とりとめの無い思いが浮かんでは消えていく。これらの作品群は個人的な枠を超え、女性の外見と内面の問題や「キズモノ」という言葉が示す女性と社会の関係性をも考えさせる。深くて力強い、そしてちょっぴり痛い展覧会だ。(中島)


連携プレー [6月8日号]

 各地で地域活性化のためのイベントが盛んだ。主催するのは、自治体や商工団体に加え、最近ではNPO法人や○○塾といった団体も多い。フリーマーケットや地元で活動するスポーツや踊りのサークルが発表会をかねて出演したり、大道芸人を招いたりと内容は多彩。家族連れで訪れるには費用もかからず格好のレジャーだ。
 先日、ある市のイベントを取材した。折しも隣の市も同じような大規模イベントの開催日。実行委員の1人は「あちらは例年、もう1、2週早い開催だったのに、今年はモロにバッティング。なにも同日にぶつけなくても…」とぼやく。言われてみれば、天候はまずまずなのに前年より人出が少ないようだ。
 規模が大きく出し物が多いイベントでは、連絡や会議を重ね、出演交渉やタイムテーブルの作成、チラシの製作、マスコミへの対応など、開催準備は1年前から始めることも珍しくない。開催直前に「隣市でも開催」と分かっても日程変更はおいそれとは無理。
 自治体の主催なら隣市との調整は出来るだろうが、民間同士では現状では難しい。官民が一体となって、地域を越えて連携を取り合う、相互協力のシステムが必要だろう。(南保)


カルガモ [6月1日号]

 先日、関越自動車道・高崎ICで「カルガモ横断注意」の看板を見かけた。昨年、現地に取材に行ったので懐かしさもあり、担当者に連絡してみた。
 ネクスコ東日本高崎管理事務所によると、先週、カルガモの姿が見られたためドライバーの安全を考えて設置したという。その後は姿を見せていないそうだ。
 担当者がカルガモに敏感になるのには理由がある。昨夏、3〜4羽のヒナを連れた親鳥が同IC内に生息。料金所から本線に向かうアプローチに姿を見せ、運転手を困らせていた。
 同事務所が調べたところ、アプローチ道路の排水溝の中で生活をするカルガモ一家を発見。周辺の農業用水路から、排水溝を通ってIC内に入ったとみられる。IC内に水場がないため抜け道を見つけて行き来していたようだ。同事務所は排水溝を網でふさぐなどの対策を取った。
 担当者らは今春、料金所付近の草刈りを徹底。カルガモは昨年とは勝手が違ったため、同じ場所での営巣をあきらめた可能性が高い。ただ、周辺で子育てを始めることだろう。カルガモがこの地を選んだのも何かの縁。高崎IC周辺でカルガモを見かけたら、温かく見守ってあげてください。(伊藤)


最近のバックナンバーに戻る