朝日ぐんまって?
朝日フォトコン
コラム 
上州日和
ステッカー [7月27日号]

 先月、「ぐんま味めぐり」(1面)の取材で片品村の食堂へ出かけた。
 ボリューム満点の「からあげ定食」が看板メニューの定食屋で、スキーシーズンには村内周辺のスキー場に来た若者(特にボーダー)が氷点下の気温にもかかわらず行列をなすという。店内にはプロスノーボーダーや芸能人のサインが壁一面に張られていた。
 この店の「味」と「人気」は、“口コミ”で都内をはじめ関東全域に広がったというが、常連客が作ったグッズが一役買っていた。
 同店のからあげと、家庭的な雰囲気の虜になった客が、この店名をデザインしたステッカーを作成。スノーボードに張ったところ、仲間から好評を得た。そして、そのステッカーを店主に頼んで食堂で販売してみると、瞬く間に売り切れたという。購入した客はステッカーを自分のボードに張り、あちこちのスキー場へ出かける。その異色なステッカーを見た友人らが興味を持ち、片品へ足を運ぶ。ステッカーは北海道でも話題になったという。
 今ではこの店に寄るために、片品のスキー場に来る人があとを絶たず、ボーダーの間では伝説の定食屋になりつつある。食の「力」って改めてスゴイと思った。(伊藤)


モグラ駅 [7月20日号]

 「日本一のモグラ駅」の異名を持つ土合駅。登山者や鉄道ファンにはおなじみの駅だ。先週、取材の帰りに立ち寄ってみた。山好きでも鉄道好きでもないが、横山秀夫の代表作「クライマーズハイ」を読んで以来、文中に登場する駅を一目見たいと思っていたからだ。
 シトシトと雨が降り続く肌寒い日。無人駅には人っ子一人いない。連絡通路は薄暗くヒンヤリしていて、ちょっと不気味だ。恐る恐る進むと突如、今まで見たこともない光景が目に飛び込んで来た。ポッカリ口を開けた巨大ホールに沿って果てしなく続く下り階段。
 遥か70m下にあるという下りホームは暗くて見えない。闇と静寂に包まれた階段は冥界へと通じる道のようで、見ていると吸い込まれそうになる。「階下にはどんな世界が広がっているのか」 好奇心にかられ十数段ほど降りたが、すぐに引き返した。462段もの階段を、女一人で往復する体力も気力も度胸も持ち合わせていなかったからだ。
 当初の目的は果たせたものの、何ともスッキリしない。後ろ髪を引かれながら駅を後にした。いつの日か、強靭な脚力を付け、462階段に付き合ってくれる知人と共に、改めて挑戦したいと思う。(中島)


ペット預かり [7月13日号]

 ペットを家族の一員として車に同乗させるファミリーをよく見かける。大型犬のために「犬舎」を設けているワゴン車もある。ドッグランを造る観光施設も増えてきた。
 しかし、ペットの一時預かり所となると、温泉などの観光地やその周辺、さらに美術館などにはほとんど見あたらない。
 梅雨が明ければ夏のレジャーシーズンが本番を迎え、暑さも本格化する。強い日差しで日中の車内は60度に達することさえある。ちょっと車を降りて施設見学を、と思ってもペットを車に置いたままというわけにはいかない。「お客さんから、有料でも一時預かり所があると助かるのに、との声をよく聞くようになった」と、ある観光地の住人は話す。
 官民一体で観光に力を入れる地域が増えている中で、「ペット連れのお客様」を大切にする機運がもっと高まっていい。観光PRの中に「ペット預かりOK」を織り込めば他の地域との差別化が図られ、一層の集客が見込めるのでは? 民間でも「ペット一時預かり」の看板を掲げれば営業収益の一端になる、と考えるのは素人の筆者だけだろうか?


健康診断 [7月6日号]

 先日、定期健康診断のため前橋市内の病院へ足を運んだ。毎年のように通っているため、だいたいの要領はつかんでいた。
 受け付けを済ませ、待合場所へ向かったが、何か雰囲気が違う。これまでは、フレッシュマンらしき若者のグループと一緒のことが多かったが、今年は全く見当たらない。
 改めて周囲を見回してみると、明らかに年齢層が高い。もしかしたらと思い、ふと検診表を確認してみたら、これまでになかった検査項目が含まれていた。その時点で、健康診断のランクが上がったと確信した。
 慣れない検査に不安を抱えたまま、心電図などひと通りの検査を終えると、最後に待っていたのは胃のバリウム検査。上司らから、バリウムを飲んだという話はよく聞かされていたが、まさか心の準備なしで飲むことになるとは…。
 発泡剤を口に含み、生まれて初めて見るバリウムを流し込む。思ったよりもまずくない。検査台に乗せられてグルグルと回って、すべての検査が終了した。
 「もう若くない」ということを実感させられるとともに、健康への意識を植え付けられた今年の健康診断。更衣室の鏡に映った自分の姿からは、心なしか覇気が消えていた。(伊藤)


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