朝日ぐんまって?
朝日フォトコン
コラム 
上州日和
バリア [3月28日号]

 県内に住む外国人登録者は06年12月末現在、約4万6千人で県人口の2・29%(法務省在留外国人統計)を占める。人数では都道府県で14位、人口割合は7位になる。
 以前、ある外国人に「日本人は結局、外国人が好きではない」と言われたことがあった。そこで最近、県内で働く10人の外国の方々に、知人を通じて「日本での生活で理解できないことや大変に思うことはあるか」を聞いてみた。答えは「(日本人は自分が)何を考えているか話さない。思っていることと逆のことを時々言う」「言葉のバリアを乗り越えるのは難しい。互いに、無意識のうちに相手を傷付けてしまう」「日本の女性は際どい服装の人が多いのはなぜ?」というのもあった。
 私自身も海外で外国人として過ごし、現地の人たちに溶け込みにくかった経験を持つ。日本人同士でも以前に比べると関係が希薄になったと言われている。ましてや外国から来た人々に対しては、言葉や習慣の違いという壁があるため、いつの間にか疎遠になってしまうのだろう。
 しかし、母国を離れ群馬に来た方と少しでも交流を重ね、群馬の良さを知ってもらえるよう心がけたい。(佐藤)


かさにかかる [3月21日号]

 所用で社会保険事務所に出かけた。覚悟はしていたが、6つの相談窓口はもちろん、40〜50ある待ち合いのいすも埋まり、立ったまま順番を待つ人もいる。
 受付に用件を伝えると「奥の長いすでお待ち下さい」と指定の場所へ。待つ人に加わり、しばし全体を見学していた。職員は動きに無駄がないと思えるほどテキパキと仕事をさばいている。すると五十代半ばとおぼしき男性が職員に大声で食って掛かっている。「なんでこうなるんだよ」「これじゃ分からんだろ!」。話の具体的な内容は不明だが、怒鳴る姿に周囲は引き気味。職員はあくまで謙虚に丁寧に説明を続ける。男性は次第におとなしくなり、「チッ」と舌打ちして帰っていった。
 この間の社会保険庁への風当たりは台風並み。先輩たちのずさんな仕事ぶりへの非難が現職に集中している。ここぞとばかりに高飛車に出る市民が入り代わり立ち代わり訪れることだろうことは、容易に察しが付く。退職者が前年に比べて倍増しているというのもうなずける。
 景気がさらに落ち込む中でストレスも増えているだろう。でも八つ当たりのごとく、かさにかかって攻め立てるのは卑劣と知るべきだろう。 (南保)


革靴 [3月14日号]

 ちょっと前に下ろした革靴が、最近やっと馴染んできた。履き始めた当初は、靴ずれがひどく、かかとを入れる度に炎症を起こした。週1回くらいしか履く機会がなかったので、自分の足にフィットするのに時間がかかってしまった。
 我が家の「ルール」は、“革靴はキツいくらいがちょうど良い(笑)”。過去に親が靴関係の仕事をしていたこともあり、初めて革靴を履いた高校生くらいから、徹底して教え込まれた。また、かかとを潰して履こうものなら、こっぴどく怒鳴られた。
 親は、お客さんに対しても一切妥協しなかった。キツいと強く訴えても、「少しの辛抱だから大丈夫。皮が伸びるので、いまちょうど良かったら、すぐにブカブカになる」と、小さいサイズを薦めた。傍からみていて、お客さんに任せれば良いのにと思ったことも度々あった。だが、それも、相手のことを考えてのことだった。
 新年度を迎えるにあたり、革靴を新調する人も多いことだろう。仕事や学校など、新生活の始まりはいつもキツいものだ。だが、それを乗り越えると、自分に合った生活となる。最初は少しキツいくらいの方が、ちょうど良いのかもしれない。(伊藤)


年を感じる瞬間 [3月7日号]

 「年とったなぁ」―そう感じる瞬間は日常の中で多々ある。化粧のノリが悪い、おなかの出っ張りが気になる、酒の量が減った、アイドルの顔が見分けられない、知人にズバリ指摘された―とまあ挙げれば切りがないが、「見て見ぬふり」を決め込めばどうってことはない。
 だが、現実を受け入れざるを得ない状況がある。それは、新しい免許証を手にした時だ。そこには、前回の顔写真と比べて明らかに年を取っている自分がいる。「数年前とさほど変わってないだろう」。そんな根拠のない思い込みを見事に打ち砕いてくれるのだ。
 先週、免許更新のため交通安全協会へ出向いた。この日の顔と数年間付き合わなくてならないと思うと、それなりに気合が入る。肌色を引き立たせるためピンク系のチークを入れたり、顔が明るく見える淡色の服を着るなど、ささやかな努力をして臨んだ。1回のみの撮影に不安を覚えたが、「見せて」とも言えない。
 免許証交付は今月末。「美しい人はより美しく、そうでない人はそれなりに」―かのCMコピーではないが年相応ならばまあ良しとしよう。「いくらなんでも老けすぎ」と途方に暮れるような写真でないことを祈るばかりだ。(中島)


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