朝日ぐんまって?
朝日フォトコン
コラム 
上州日和
吟子と志方 [8月28日号]

 先日、荻野吟子ゆかりの地を訪ねた。生誕地に建つ熊谷市立荻野吟子記念館には年表や医学書、書簡などが、千代田町の光恩寺に移築されている生家・長屋門には写真が飾られていた。
 日本初の女医で渡辺淳一「花埋み」のモデル。私の知識はその程度だったが、2カ所を巡り彼女への興味が俄然わいた。苦難を乗り越え女医になったからでも女性の地位向上に尽くした活動家だったからでもない。40歳でキリスト教を通じて知り合った13歳下の志方之善と再婚したからだ。
 出会った時、吟子は女医で志方は学生。地位も年齢も吟子が上だった。周囲の反対を押し切り一緒になるが、志方は半年後にキリスト教徒理想郷建設のため北海道へ渡ってしまう。吟子も後から渡道するが、建設は思うように進まない。そうこうするうち志方は肺炎を患い42歳で急逝。吟子、振り回されっぱなしだ。
 巨漢でひげもじゃの志方は、情熱的だが夢見がち。記念館職員にも「再婚相手が悪かった」と言われる始末。でも、そんな男性を選んだ吟子。素敵だ。女医や活動家としての吟子は近づきがたいが、志方の妻としての吟子には親しみを感じる。その二面性が魅力的だ。2人をもっと知りたくなった旅だった。(中島)


危機感 [8月21日号]

 前回の県議選の際、辻説法中の現職に声をかけた。「今回も楽勝のようですね」。すると彼は血走った目をさらに釣り上げて叫んだ。「そんなことはない! 危ないんだ」。表情には鬼気迫るものがあった。
 結果は前々回より票は減らしたものの悠々当選。後日彼は「危機感をあおらないと組織が緩む。あの時は必死だった」と笑いながら話した。
 衆院選が真っ盛り。どの週刊誌も民主圧勝を伝え、新聞の世論調査でも「民主党政権」が色濃い事を伝えている。「自民王国・群馬」でもその流れは強く、いくつもの業界団体で支持政党が割れているという。
 逆に、あるネットサイトの調査では、「第1党は自民」と全く逆の結果が出たと今週の週刊朝日が伝えている。
 自然科学では化学反応や公式があり、組み合わせで結果が予想できるが、自然科学ではそうはいかない。優勢が伝えられて気が緩み、世論調査どおりにならないケースも十分考えられる。だから面白い。
 スリリングな展開で政治への関心が高まっている。若者の投票率アップに期待したい。政権の行方よりまず「政治への関心の高まり」がうれしい。30日が楽しみだ。(南保)


修学旅行 [8月14日号]

 頻繁ではないものの、全国各地へ取材で足を運ぶ機会がある。7、8日は、インターハイの取材で奈良県まで車を飛ばした。
 普段は、観光名所に立ち寄るなどまずないが、奈良では話は別だった。ホテルでもらった周辺地図には、法隆寺や薬師寺などの世界遺産が点在し、足を延ばせば東大寺、高松塚古墳なども見学可能と教えられた。
 7時間以上による運転と取材の疲れはあったのだが、早速コンビニに走りガイドブックを購入。夜な夜な、翌日の観光予定を立てた。とはいえ仕事前の5時間しかないので、近い場所から順に回ることにした。
 最初に訪れたのは、法隆寺。南大門をくぐると西院伽藍の正面となる中門、五重塔が放つ美に圧倒され、しばし見入ってしまう。五重塔、夢殿などを眺めていたらすぐ2時間が経過した。続いて薬師寺。白鳳伽藍に時代の消息を尋ねていると、瞬く間に時間が過ぎた。最後は駆け足で唐招提寺を巡り、短時間で大人の「修学旅行」は終了した。
 高速料金が最大千円になったことで、道を選べば奈良までも千円で到達可能。ガソリン代はかかるが、決して高くはない旅行だ。次回は、秋の奈良で修学旅行の続きを楽しみたいと思っている。(伊藤)


夏の宿題 [8月7日号]

 娘と読書感想文の本を買いに書店へ行った。
 毎年の事だが漫画や雑誌の購入と違い彼女は苦戦していた。平積みされた中から、親である自分のお気に入り作家の一冊をさりげなく薦めてみる。「うーん」とため息まじりに首を傾ける様子をみると、どうやら合点がいかないよう。
 それならと、自分の読みたい書籍を探し始める。以前に比べて文庫のカバーが斬新でカラフルになっていた。カフカや太宰治を俳優の松山ケンイチや人気漫画家の絵が飾っている。カバーが変わっただけなのに、なじみの名作本に思わず手を伸ばした。新装開店した店舗を訪れるような心境で楽しい。
 さて、我が子はといえば「友達が読んでいて面白そう」と長い時間をかけて一冊を選択した。そのすっきりした表情を眺め、何のことはない連れてきて代金を払っただけか、と少しがっかりした。親ができることは知れているのだ。
 子どもの宿題に付きあっている暇はない。よーし、庭の草むしりをしなくては。パソコンでやりたいこともある…食卓に新レシピを登場させたい…自分の宿題が山積みだ。そうだ、子どもたちにも手伝わせよう。夏の宿題はわいわい言いながら家族を巻き込んで楽しくやりたい。(谷)


最近のバックナンバーに戻る