朝日ぐんまって?
朝日フォトコン
コラム 
上州日和
年賀状 [12月25日号]

 年賀状を書くのは少々大変でも、いただくのはうれしい。東京に住む父から毎年届く賀状には、謹賀新年のあいさつとともに百名山の風景写真がプリントされている。
 父は50歳を過ぎた頃から山に登りはじめ、定年後本格的に百名山を目指した。2度の大病を経験していたため家族は猛反対したが、山が好きで日光白根山に登る時には仕事で終電に間に合わず、前橋駅のベンチで朝まで過ごしたこともあったとか。
 65歳のとき山形県の大朝日岳1870メートルが100番目の山になった。頂を登り終え山小屋に着くと、小屋仲間が百名山の踏破を祝ってくれたという。「帳面に名前と一緒に大きく百と書いた」と当時を懐かしみうれしそうに語った。さらに「百という字は一と白に分かれる。つまり一に始まって、白紙に戻るということ。初心に戻って次の山を目指した」と昨日のことのように説明してくれた。
 家の居間で寝転んで新聞を読んでいる姿からは想像できない話を聞き、素直に感心した。疲労の中でも再び一から始めようという気持ちになるとはびっくりだ。これまで父の話をうるさがりじっくり聞くことなく流していたかなと反省。
 間もなく届く賀状はどんな山の写真だろうか。「捜索願」は勘弁だが、元気でこれからも山登りを続けて欲しいと思う。(谷)


履歴書 [12月18日号]

 先日、書類を整理していたら来年が入社10年目となることに気づいた。
 10年前、新卒で入った会社を早々と辞め、海外をほっつき歩いたりしたあとに働き口を探したから簡単じゃなかった。「書く」職業に就きたいという漠然とした夢だけを履歴書につづって、様々な編集・出版関係の会社に送ったが門前払いを受けた(今、考えたら当たり前だ)。最後は、お情けで、この職場に拾われた。
 たまに、あのときを振り返るときがある。履歴書には、それらしい言葉を並べて、スペースを埋めたつもりだが、中身が空っぽだった。自分ができることについて自分の言葉で語ることができなかった。それが実力だったのだろう。
 「貴意に添えない結果…」「今後のご活躍をお祈りします」…などという形式的な書類とともに返送された履歴書をみて、毎回、自身の力の無さを痛感した。
 あれから10年。幸いにも、この仕事を続けることができているが10年前の自分に、「成長した」と胸を張って言えるかは疑問だ。夢の貯金でここまで来られた気がする。今の自分はどんな履歴書が書けるのだろうか。  (伊藤)


新たな才能発見!? [12月11日号]

 先月からスタートした弊紙連載中の「レッツ・トライ」。記者が様々なジャンルを実際に体験リポートする新コーナーなのだが、取材候補を見つけるのが案外難しい。      
 話題性や実用性があり、誰でも参加できる。季節感や意外性があればなお良し。などと欲張っていると、いつまでたっても決まらない。同僚に聞いたり雑誌をチェックしたり。あ〜だこーだ散々迷った揚げ句、結局は自分の琴線に触れたものに落ち着く。
 これまで、ヨガや絽(ろ)刺し、フランス料理、手織りなどを体験してみたが、どれも奥深い。トライしながら、それぞれの歴史や文化、哲学などが学べるのも楽しい。苦手と思いきや意外と向いていたり、逆もまたしかり。いろんな発見がある。
 「なかなか良い筋してますよ」。先生から褒められようものなら、もう大変。「自分の中にまだ見ぬ才能が眠っているのでは!」などと一人で勝手に盛り上がったりしている。手に負えない。が、いかんせん取材当日のみで、その後、継続的に習っているものはなく、いまだ新たな才能の発見には至っていない…。
 「レッツ・トライ」、今後も続けていく予定なので、「こんなことをやって欲しい」という要望があれば、どしどしお寄せて下さい。「世界の果てまでイッテQ!」の珍獣ハンター・イモトのような身の危険を感じる企画は勘弁だが…。(中島)


自転車 [12月4日号]

 10年余り前、2人乗りや2列走行、無灯火など高校生の自転車マナーの悪さがたびたび問題になった。今も時おり見かけるものの、当時に比べると随分よくなった気がする。家庭や学校での指導が効いたのだろう。
 自転車店のご主人と話していて、ハンドルの話題になった。彼いわく「グリップ部分が高い、みんな同じ形を欲しがるんですよ」という。中には入学前に買った自転車が、通学してみて友達と違う形だと買い替えるケースも珍しくない。しかもサドルを限界まで低くするのも共通だとか。「他人と違うことを極端に嫌う。しかも、わざわざ乗りにくくしてペダルをこぐ。理解できないね」という。
 マナーが良くなったのは歓迎だ。しかし「右へ倣え」はいただけない。他人と同じだと安心なのは分かるが、その分、個性が消える。個性を維持するにはそれなりのエネルギーが要る。そのエネルギーを、あえて抑えている感がするのは、筆者だけではなさそう。
 “粗暴”の勧めでは全くないが、「草食男子」が増殖するのも何だかなぁ。(南保)


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