|
何十数年ぶりに、ある自治体職員とばったり会った。「久しぶり。元気?」と声を掛け合い、しばし近況を語り合った。
折から議会で予算審議の真っ最中とあって、話題は行政のカネの使い方へ。彼いわく「いやー、厳しくなったね。住民の目や態度も…」。さらに話は20年前のバブル真っただ中の時代へ。かつてない税収にどの自治体もホクホクで、民俗資料館など箱モノを造ったりイベントを盛大に開いたりと大盤振る舞い。当時彼は企画担当で、アイデアをひねり出すのに四苦八苦していた。そこへ「ふるさと創生1億円」。
「上司から『使い道を考えろ』と言われてもねぇ、アイデア枯れちゃいましたよ」という。机上にはヘリコプター会社からの温泉探査のお誘いをはじめ、パソコンメーカーや大手広告代理店からの多彩な企画など、50を超す業者からの提案が山積みされている。しかし、安易に乗るわけにはいかない。住民のために何が役立つかを優先しなければならないからだ。知恵を貸してくださいよ、と懇願された覚えがある。
時代は変わった。なけなしのカネを、どう有効に使うか。我われ庶民と同様、彼の仕事の悩みは尽きない。(南保)

何度かの卒業式を経験したが、いつも愚痴ばかりこぼしていた。達成感や充実感はなく、流されるまま次の道へ進んだ。努力不足を棚に上げて、環境や時代に不満を投げつけていた。視野も狭かった。
大学4年。なんとなく内定を得た企業の研修に行った夜のことだった。突然、とてつもなく大きな不安が襲いかかってきた。「このままでいいの? オレ」。土壇場になるまで、自分自身と対話しなかったツケが一気に回ってきた。
それからずっともがき続けている。転職も経験し、遠回りもしたが、あのときの自分の声に応えるために苦闘している(つもりだ)。
人は、天命に抗える唯一の動物という。努力しだいで道が開けるということだろう。生活環境や能力などそれぞれが背負うものは違うが、ハンデも自身を高める武器となる。
「自分」は夢や目標に向かって伴走してくれる心強い味方でもあるが、行く手を阻む手強い相手でもある。ちょっと気を緩めるとすぐに楽な方向へと勝手に進路を変えてしまう(本当に厄介だ)。 「VS自分」。業を卒(終え)るために必要なのは、相手や社会ではなく、己に勝つこと。最近になって、それが分かってきた気がする。(伊藤)

自動車関係の職に就いている弟が1月、タイに赴任した。
5年前は県内で勤めていたが工場移転に伴い九州へ。その後、東京へ移り今度はタイ行きが命じられた。最短でも3年の任期だが、こんな経済情勢だから職があるだけでも幸せと考えるべきだろう。
出発前、家族と親せきでささやかな送別会をした。その場で弟は「(タイ行きを)断る選択肢もあったけど、自分と家族の将来のために行くことにした」と話した。空港へ見送りに行ったときは、こわばった笑顔で出発ゲートをくぐる弟をみて、思わず目がうるんだ。
あれから約1カ月半。たまに届くメールによると、ほほ笑みの国・タイの親切な同僚たちに囲まれ、順調に仕事をしているようだ。訓練中の英語でタイ人上司に話しかけたら「無理しないで日本語で話して」と笑われたらしい。
タイの就業時間は午前7時から午後3時まで。近くの公園には1mを超すトカゲが普通に生息しているという。日本とは全く違う文化に弟が適応できるか不安もあるが、ひと回り成長して無事に帰国してくれることを願っている。(伊藤)

東日本最大規模を誇る群馬三大梅林が、中旬から見頃を迎えそうだ。花をめでるのも良いが梅を味わうのもまた一興。梅林には産地ならではの梅商品がたくさんある。
まず、秋間梅林の茶屋「福寿荘」の超ロングラン商品「梅お焼き」。梅干しの酸味とフキノトウの苦味とみその風味を生かした素朴な味は、外はカリッと香ばしく中はモチッとした食感がたまらない。新商品の梅クッキー、梅パウンドケーキも人気だ。「うすい酒販倶楽部」売店が扱う「梅香里」は三大梅林の梅を日本酒で漬け込んだ梅酒で、奥深い甘味とコクがクセになるおいしさ。どれもお土産にピッタリだ。
箕郷梅林入り口に建つ「みさと鳴沢ふるさと館」では、箕郷産の梅肉入りコロッケとうどんが味わえる。梅うどんはのど越しさわやかで、梅コロッケは程良い酸味と衣のサクサク感が絶妙。淡いピンク色も美しい。
榛名梅林では4月末まで、37店舗で梅料理や梅菓子などを提供中だ。梅ピザから梅味ホルモン、梅しそギョーザ、梅パスタ、梅あんパン、梅餅、梅フレーバーティーまで、ジャンルは多彩でオリジナリティーあふれる逸品ばかり。4店を巡ると豪華賞品が当たるスタンプラリーも実施している。
思わず「うめ〜」と叫んでしまうような梅グルメに出合える三大梅林。「花より団子」派の人は花見の後、ぜひ各梅林の「こだわりの味」を楽しんで欲しい。(中島)
最近のバックナンバーに戻る
|