朝日ぐんまって?
朝日フォトコン
コラム 
上州日和
親子参加 [7月23日号]

 親子工作教室を取材した。講師が子供に丁寧に説明するが、男児は思うように指が動かない。母親は「どうしてそんなことが出来ないの?」「ここはこうするって、先生が言ってたでしょ」。声量は抑えているが、口調は厳しい。
 男児は、初めは意欲を持って取り組んでいたが、繰り返し言われて嫌気がさし、作りかけをポンと投げ出した。上目遣いに母親をにらみつけている。「続けなさい。途中であきらめる子はお母さんは好きじゃありません」。それでも手を出さない彼に代わって母親は、自ら工作を始めた。「完成させなければみっともない」と思ったのだろう。
 これまで様々な親子教室を見てきた。耳をそばだてていると、親の、子供への言葉の厳しさはすごい。家での会話がいつもこの調子とは思わないが、「つい夢中になる」「思わず他と比べる」などの状況でトーンが上がってしまうのだろう。もちろん、仲良く作り続ける親子もたくさんいる。
 子供はモノ作りが好き。どの子も最初は目を輝かせるが、親の言葉で意欲は次第になえて投げ出し、周囲を走り回り、親が続きを作る?そんな光景をこの季節、毎年見続けている。(南保)


涙の円陣 [7月16日号]

 全国高校野球選手権群馬大会が10日に開幕、熱戦が繰り広げられている。県朝日会では、同大会終了後に写真展を開催するが、その撮影のためカメラを抱えて各球場を巡っている。
 一球一球に照準を合わせてシャッターを切るため1試合の撮影枚数は1千枚を超える。その1枚1枚にドラマが見え隠れしている。
 大会3日目。負けていた高校が試合終盤にベンチ横で円陣を組んだ。偶然にもカメラマン席の目前だったため言葉が聞こえてきた。
 「みんな、打たれちゃってゴメンな」。先発登板した主将が円陣中央で仲間に向かって声をかけた。その主将は試合中から声を張り上げチームを鼓舞、その責任感の強さが随所に見えていた。そんな主将がふいに発した言葉は仲間の涙線を緩ませた。涙の円陣だった。
 試合には負けたが、素晴らしきチームメートとともに過ごした時間は、今後の人生において勝敗以上の価値があることだろう。高校野球が多くの人を引き付けるのは結果だけではなく、球児たちの野球に取り組む姿勢にあると思う。
 今年もレンズ越しに心を動かされる数々のシーンと遭遇している。大会は17日から3回戦へ突入する。(伊藤)


赤城山 [7月9日号]

 「赤城の山も今宵限り-」で知られ、国定忠治と切っても切れない縁で結ばれている赤城山。今回の生誕200年記念特集号を企画した際も、最初に取り組んだのが赤城山の撮影だった。が、折しも季節は梅雨。雨雲がどんよりと垂れこめ、晴れ間がのぞかない。
 天候以上に頭を悩ませたのが撮影ポイント。東西約20キロ、南北約30キロと長く緩やかな裾野と雄大な山並みが収められる場所は一体どこか。ベストポジションを知っていそうな関係者に片っ端から聞きまくった。群馬一高い県庁舎、田畑が広がる前橋市駒形町、伊勢崎華蔵寺公園の大観覧車、伊勢崎市庁舎?実際に車を走らせ10カ所近くから撮影を試みた。
 平地からだと親しみやすく高所からだとダイナミック?撮影角度によって全く違う表情を見せる。最終的に選んだのは伊勢崎市竜宮浄水場で撮った1枚だ。高さ35メートルの調整塔からの眺めは、「素晴らしい」の一言だった。
 一時はどうなることやらと思ったが、伊勢崎市広報課の長谷川衛さんを始め、竜宮浄水場の静野孝さんや同市観光協会の金井珠代さん、同市華蔵寺公園の境野徹さんら多くの人の協力を得て、何とか1面に耐えうる写真を押さえることが出来た。この場を借りて深くお礼を申し上げます。 (中島)


バックギア [7月2日号]

 もう20年ほど前になるが、知人の運転するクルマの助手席に乗った。信号で止まると彼は2mほどバックした。どうして? と聞くと「前のクルマはバック灯がついたまま。青信号でアクセル踏まれたら怖いからね」と笑っていた。そのときはドライバーがギアチェンジしてスタートし、事なきを得た。
 今度は最近の話。丁字路の右折車線で信号待ちしていると、左折車線の先頭車両はバック灯が付いたまま。運転席では年配の男性がハンドルを握っている。「あのままアクセルを踏まなければいいが…」と思っていたら信号が青に変わった。
 男性のクルマは、後続の女性が運転する軽自動車にバックで衝突してしまった。筆者は後続車に促されるように発進し、右折してしまったから、その後の状況は分からない。
 今のクルマは、バックギアに入れると警報音が鳴るのが一般的。男性のクルマはかなり年季が入っていた。警報が鳴らなかったのだろう。青だ、早くスタートしなくちゃ、と慌ててアクセルに力が入ったと思われる。
 暮らしにクルマが欠かせない群馬。一方で高齢化は進むばかり。運転には自信があるものの、事故を目の当たりにして、過信は禁物、と思わず自戒した。(南保)

 
最近のバックナンバーに戻る