「外」から見た赤城山の魅力を再考(Vol.123)

やる気塾が開発したヒット商品「赤城山白樺クーヘン」

日本百名山の一つに数えられる赤城山山頂の住民を中心に、観光振興を目的とした「AKAGIやる気塾」が発足したのは2010年4月である。メンバーは現在18人。特徴的なのは、「女将さん」を中心とした女性が多いことと、群馬大学社会学部の教授や学生4人ほどが参画している事である。

従前の観光スタイルやイベント頼みではこれから立ち行かなくなっていくのではないかとの危機感から、「外」から見た赤城山の魅力を再考し、打ち出して行こうとの主旨であった。

冬の山道に設置した滑り止めの砂を小瓶に詰めた「お助け砂」を始めとして、県道4号線にある大鳥居に掲げられている「赤城山」の文字を刻印した木札、夏の涼しさをアピールする「全山冷房中」のTシャツ、ホットチョコレートに白玉と小豆を入れた「しるチョコ」など、わずか1年あまりの間に次々と新商品を生み出し、とりわけ「赤城山白樺クーへン」は全体で年間数百万円を売り上げるヒット商品となった。

しかしながら、土産品を充実させるだけでは赤城山の魅力を全て伝える事にはならない。より自然を積極的に楽しむアクティビティを増やす事も一つの課題であろう。

そこで同塾では、冬山のスノーシュー体験や白樺牧場付近のレンゲツツジの群生を巡るガイド付きツアーなど、参加型の観光を始めた。いずれも好評で年々参加者も増えている。アウトドアブームによる登山者や「赤城山ヒルクライム」に代表されるサイクリストの増加、デジタルカメラの普及に伴う写真家が多く訪れるなど、各自の趣味を生かすための目的地となってきており、もはや「観光」という言葉すら古い概念なのではないか、と感じるのである。

女性や若者が多く所属する「AKAGIやる気塾」では、時代の流れと共に変わるニーズに対応しながら、より多くの人の「到着地」でありたいと願っている。

 

AKAGIやる気塾副塾長
塩原 勲 さん
【略歴】1964年赤城山生まれ。同志社大卒業後、前橋市内の百貨店に勤務。90年に家業である旅館・飲食業を継ぎ現在に至る。店舗でもある赤城山頂駅は昨年、国登録有形文化財に認定。