しょうがねぇ しょうがねぇ[9月14日号]

「ダメなものはダメなんだから、過去を引きずってもしょうがねえ。どうせなら面白おかしく生きた方が得だよ」 ビールをグイグイ呑みながら饒舌に語る昭和こいる師匠。御歳74歳だが実にパワフルだ。弊紙で定期的に特集するシニア号では、「自分らしくイキイキ生きる」をコンセプトに各分野で活躍する人物を紹介している。今回のこいる師匠も正真正銘、独自の人生を歩んでおられる方だ。

取材前、師匠の舞台を見させてもらったが、お馴染みの繰り返しギャグとポーズ、軽妙な語り口と絶妙な間はまさに名人芸。取材中のやり取りも舞台同様、サービス精神旺盛で飽きさせない。ホッコリした「笑い」と、あっけらかんとした人柄にすっかり魅せられた。

売れっ子になるまでの紆余曲折、芸人仲間との切磋琢磨、のいる師匠への相方愛など、数々のエピソードが飛び出したが、特に心に残ったのは舞台でも定番のフレーズ「しょうがねぇ、しょうがねぇ」だった。一見、いい加減に聞こえるが、その奥には強い信念と関わる人への深い愛情が込められていた。

師匠を見ていて感じたのは、「口癖が人生を作る」ということ。何気なく口にする言葉が、いかに大切なことかに気付かされた。忙しかったり疲れていると、ついつい発してしまうネガティブワード。そんな時は、「しょうがねぇ、しょうがねぇ」とつぶやきながら「楽しく、前向きに」行こうと思う。こいる師匠、ありがとうございました。

(中島美江子)