イラストレーター maegamimamiさん

初の作品集を発表 女性誌などで大活躍!
人気イラストレーター maegamimamiさん(伊勢崎出身)

モチーフとして心惹かれるのは今の自分に『覚悟』がある女性

可憐さ、儚さ、けだるさ、強さ、脆さ、毒っぽさ‐多面的な魅力を放つ女の子の絵で知られる超売れっ子イラストレーター。数々の女性誌で連載を抱える一方、「GU」とコラボするなど活躍の場は一つにとどまらない。11月、初の作品集「maegamimami Grab The Heart」を出版したばかりのmaegamimami(マエガミマミ)さんに、作品集やイラストに込めた思いを聞いた。

『もっと素敵な世界』を信じて

ファーストアルバムのような作品集

Q初の作品集を出版しました

「昨年から何らかの形で絵を発表したいと思っていたら昨夏、宝島社さんから出版のお話を頂きました。過去の絵のみ収録の形を提案されたのですが、描き下ろし作品が6割の異例の作品集になっています。本当は全部描き下ろしたかったのですが、親友から『ファーストアルバムだと思えばいい』と言われ今の形に落ち着きました」

Q作品集のサブタイトル「Grab The Heart」の由来は

「直訳すると『心臓わしづかみ』といったニュアンスです。『ハート泥棒』という言葉が好きで、心臓をモチーフにした絵をコンスタントに描いていました。自分の中でずっと温めてきたテーマです」

Q作品集を作る上で、大変だったことは

「仕事で依頼されて描くのと、自分が感じたことを絵にする回路は全く違うと思い知りました。描きたいことはいっぱいあるのに、出し方が分からない。窓から飛び降りちゃおうかと思ったくらい(苦笑)。ただ今回、初めて物語を書いたのですが、言葉をつづっているうちに絵のイメージも浮かんできて一気に描き上げることができました。入稿までの1カ月間、ほとんど記憶がありません」

Q絵と物語を創造する上での違いは

「まるっきり同じ。私は描いている子を演じたいのです。でも、女優じゃないから今感じている思いを絵の中の表情や台詞にこめる。絵や文章を描いていると、嬉しかったり悲しかったり切なかったり、モチーフの女の子と同じような気持ちになりますね」

Q出版の前と後で心境の変化は

「色数を抑えたシンプルなイラストや物語、コラージュなど、新しい表現にチャレンジできました。やりたかったことは全て出来たので、スッキリしています。ただ、今までの私はこれで『おしまい』。同じことはもうしたくないし、これからもどんどん変わっていきたいですね」

最後に残ったのが絵だった

Qイラストレーターになるきっかけは

「小さい頃から、絵描きになりたいと思っていました。でも、本を読んだり映画を観るのも大好き。高校時代、演劇に打ち込みましたが飲食や音楽にも興味があり、20代は一つに決められませんでした。でも、だんだんと絞られてきて最後に残ったのが絵でした。『もう描かなきゃ』と30歳で思い立ち今に至ります(笑)」

Q昨年11月、紀伊國屋前橋書店で初のサイン会を開きました

「20代の頃、何者かになりたいと思いながら働いていた職場です。すごくお世話になったので、最初のサイン会はどうしてもここでやりたかった。誰も来なかったらどうしようと凄く不安でしたが、たくさんの人が来てくれて本当に嬉しかったです」

Q群馬はどんな場所

「今も親友が何人も住んでいます。飲食や服飾関係に携わっている彼女たちとは20代で出会いました。当時、お互い何者でもなかったのですが、『お店を持ちたい』『雑誌に絵を描きたい』と色々妄想していました。それが今、みんな実現している。私の感性は彼女たちと一緒にいたことで育まれ、彼女たちと出会ったからこそ今の私がいます。『当時の私』に戻れる群馬は特別な場所です」

表現したいのはクセのある女の子

Qモチーフの多くは女の子ですね

「小さい頃から、女の子の顔に興味がありました。女の子のことを考えたり見るのも好き。いわゆる、分かりやすい可愛らしさや色気を描くのは簡単ですが、私が表現したいのはクセがあってふてくされているような子。表面的な美ではなく、声のトーンや手の動き、仕草、たたずまいなど、その人らしさを形にしたいですね」

Qモチーフとして心惹かれる女性は

「腹をくくっている人。仕事をしていてもいなくても、結婚をしていてもしていなくても、子どもがいてもいなくても何でもいい。今の自分に『覚悟』がある人に心惹かれます。お人形さんみたいな子が持てはやされていますが、上澄みをなぞったところで魅力は出てきません。均一化された美しさではなく、その人にしかない個性が素敵なんだと絵を通して伝えていきたい」

Q創造の源は

「見たいものを見て、会いたい人に会うこと。個展などは、なるべく作家本人がいる時に行きます。直接、出会うことで多くのパワーをもらえますから。その感動がこぼれ落ちないよう、お家に持ち帰って忘れないうちに紙に落とします」

Q表現したい世界観は

「『匂い』でしょうか。香水の香りとかではなく、女の人から漂う汗やフェロモンのような目に見えないものを表現したい」

Q描く上で心掛けていることは

「時代の変化や流行の速さに飲み込まれないように気を付けています。今いる場所からさらに先へ行くためには、何を続けていき、何をやめ、何を始めたらいいのかを絶えず考えています。不本意なことや理不尽なことが多く、『こんな世界って』と思う時もありますが、『もっと素敵な世界』を信じて発信し続けていきたいです」

Q絵で伝えたいことは

「混沌とした思いや言葉にできないモヤモヤを形にしています。絵は受け手によっていかようにも取れるので、自由に妄想しながら『感情的なこと』を感じ取ってもらえたらいいですね」

Q群馬のファンにメッセージを

「先月、紀伊國屋書店前橋店で初のサイン会をさせて頂きました。応援してくれる人が、こんなにいるとは夢にも思わなかったので本当に感動しました。これからもサイン会に限らず、個展など直接皆さまにお会いできる機会を作れたらいいなと思っていますので、引き続き応援よろしくお願いします」

maegamimami(マエガミマミ)

82年伊勢崎生まれ、太田育ち。共愛学園高校で演劇部に所属。卒業後、専門学校でグラフィックを学ぶ。女性誌、ウェブ、広告、ブランドとのコラボレーションなどを中心に活動。クッションなど刺繍作品も展開。昨秋、初の作品集を宝島社から出版。今月半ばにISETAN「Gizmobiezポップアップショップ」でmaegamimamiコラボ携帯カバーを発売。所属事務所は「NLINE」。