ラスベガスより、謹賀新年(Vol.3)

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前橋出身の美術作家SUSH MACHIDA(すしゅ・まちだ)さんがラスベガスでの暮らしを紹介。
年明けと同時に打ち上げられる花火

ここラスベガスの年越しは訪問者数35万人を誇る、とても人気のある行事です。その目的の一つは、新年の花火。それを間近で見ようと、この日だけ特別に歩行者天国となった「ストリップ大通り」に群衆が詰め寄せます。

花火といっても日本の花火大会のように、腰を据えて鑑賞する風情あるもの、 という感覚は一切ありません。国旗をイメージした赤青白の連続爆発、と呼べるほど。とにかく派手!

年明けと同時に、無数の花火が各ホテル屋上から一斉に打ち放たれ、その爆音と振動が続く中、人混み構わず踊りだす者、ビールジョッキで乾杯をする者、興奮に叫ぶ者、大声で歌う者たちが暴れだします。自由の国アメリカですから、みんな好き勝手に騒いで、もう滅茶苦茶です。

昨年6月に引っ越した新アトリエ

この混沌さを楽しみたいからこそ、人々はラスベガスに集まるのでしょう。そんなパワー漲る年越しを、本年度は空港越しにひっそりと眺めていました。今年、空港の隣にアトリエを引っ越しました。裏の扉を開けると、そこは滑走路。その向こうに上がる、花火。真上には、着陸寸前の飛行機が大きくて。

友人にも知らせていない秘密基地、といった空間です。2月に個展、3月にはグループ展に参加と、予定は多いのですが、今年は一体どうしよう?

芸術家という職は、なにかと孤独になりがちですが、孤独でいたら、作品が世に出る事はありません。だからといって社交的になっていたら、良い作品は生まれない。その辺のバランスと抜け道を模索している日々。流行などは関係無い。自分の信じる道を突き進む。

そして自分を極限まで追い込んで、熟成に熟成を重ねたその後に、抑えきれなくなった力が一気に爆発して美しい光を放ち、美しい花火のように 昇華できたらなあ、と願います。

ただ、やっぱり日本の花火の様な、風情ある絵を描きたいなあ。

SUSH MACHIDA (すしゅ・まちだ)

SUSH MACHIDA (すしゅ・まちだ)

【プロフィール】
前橋生まれ。県内の高校を卒業後、92年渡米。アメリカンフォトインスティテュート(ニューヨーク大)選出。ネバダ州立大学ラスベガス校修士課程修了。Otis美術大客員教授を経て、現在、美術作家として活動中。ラスベガス在住。インスタグラム@sushmachida