侍マラソン[3月8日号]

公開中の映画「サムライマラソン」を見に行った。幕末の旧安中藩が藩士の鍛錬を目的として行った「安政遠足」を題材にしている。

主演・佐藤健をはじめ藩主役の長谷川博己、守衛を解雇された老人役の竹中直人など人気俳優が次々に登場。血なまぐさい戦闘シーンもあるが、「爆笑」や「号泣」を誘う感動の作品というより、美しい風景と音楽を堪能しながら豪華キャストの演技をゆったり鑑賞するぜいたくな映画という印象を持った。

映画公開と大会出場エントリーの時期に合わせ、弊紙でも先月「安政遠足」を特集した。碓氷峠のふもとで生まれ育ち、侍マラソンが身近だった筆者だが、遠足に関する貴重な記録の存在から、保存会の苦労と努力により市民に愛される仮装マラソン大会へと育ってきた歴史など、取材を通して初めて知った。

紙面では大会の由来や映画を機に高まる気運などを紹介したところ「日本最古のマラソンだったとは」「ゲストで間寛平さんが走ったことを思い出した」「映画館に足を運びたい」など読者からも大きな反響をいただいた。

映画を観終えて唯一残念に思ったのは、やはり撮影地が地元でなかったこと。これだけの輝かしい俳優陣が群馬に来てくれていれば、ご当地映画としてさらに盛り上がったことだろう。今年5月12日に開かれる45回目の大会は、新元号になって初の侍マラソン。せめて当日にサプライズで登場してくれたら…などと、今から一人夢を見ている。

(上原道子)