大の虫 小の虫 [「前橋はいいですね。選択肢があって。やっぱり県都ですね」。前橋市長選の数日前、高崎市の知人から言われました…]

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「前橋はいいですね。選択肢があって。やっぱり県都ですね」。前橋市長選の数日前、高崎市の知人から言われました。そういえば、昨年4月の高崎市長選は、現職が無投票で3回目の当選となりました。「県内で最も人口が多い市なのに」と、ちょっとびっくりした記憶があります。

一方、今回の前橋市長選に立候補したのは過去最多の6人です。9日に投開票された結果、山本龍市長が3選を果たしました。現職対5人の新顔という構図でしたので、市民は「継続」を選択したと言えそうです。

選挙は接戦でした。それぞれの主張を訴えた6人に対し、有権者は思いを込めて1票を投じています。いずれも市民の貴重な意思だと思います。だから市長には、敗れた候補に託された民意にも、思いをはせてほしいです。

「勝てば官軍」なのでしょうが、「勝ってかぶとの緒を締めよ」ということわざもあります。今回の市長選は、落選者の総得票が市長の得票をかなり上回りました。過去2回の市長選と大きく違う点です。投票率も43・16%しかありません。

市政運営で、「多数派」となった支援者の意見を尊重するのも大切です。でも、「少数派」の意見を切り捨てていいかというと、それは違う気がします。選挙が終わってしまえば、「ノーサイド」。多様な意見がうまく反映された前橋になってほしいです。

(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)