天空の…[7月12日号]

紅葉に映える 妙義山――。行ってきました妙義山。と言っても登ったわけではなく、近くから眺めてきました。表現が適切か不安ですが、あんなにギザギザした山ってほかにあるんですかね。香川・小豆島の寒霞渓や大分県の耶馬渓とともに、日本三大渓谷美のひとつに数えられているそうです。

名前の通りふもとにある、妙義山麓美術館(安中市)のテラスからの景色は最高でした。100年前に福岡出身の洋画家、青木繁(1882~1911)が描いた妙義山風景そのものとのこと。館長の稲川庫太郎さんが教えてくれました。テラスの前はかつて、なし畑が広がっていたそうです。白い花が咲いたときはきっと、さらに美しかったに違いないですね。

稲川さんのご厚意に甘え、近くにある妙義神社(富岡市)を案内していただきました。急で長い階段に、老杉の生い茂る荘厳な雰囲気。NHKの大河ドラマ「義経」の撮影が行われたというのも納得でした。

私に美術的なセンスはまったくないのですが、それでも、手の込んだ彫刻が随所に見られる建物、狩野探幽の絵や円空仏などの収蔵品の数々に、「へー」「ほー」。

驚いたのは妙義神社が5年ほど前に、小惑星の名前になっていることでした。妙義神社のホームページには「最近、『天空の城』という言葉が流行っております。当社もいよいよ言葉通りの『天空の社』と成りました」。うまいこと言いますね。勉強になります。次は、かるたにあるように、紅葉の季節に訪れてみたいです。

(朝日新聞社前橋総局長 熊谷 潤)