太古の地球で空に挑み続けた動物たち

■第62回企画展「空にいどんだ勇者たち」

翼竜アンハングエラの全身骨格(群馬県立自然史博物館所蔵)

私たちのまわりには、様々な空をとぶ動物たちがくらしている。そんな動物の中では新参者のコウモリたちの歴史について化石やDNAの解析結果で調べると、およそ5000万年前まではたどれる。とはいえ、コウモリや鳥類とは異なり、その仲間を現在に残していない(=化石でしか見ることができない)動物も多い。企画展「空にいどんだ勇者たち」で展示の核とした翼竜たちはその代表格と言ってよいだろう。

爬虫類を構成するグループの一つ「主竜類(ワニや恐竜も含むグループ)」のうち、飛ぶことに特化して翼を獲得した仲間が翼竜である。およそ2億2800万年前の化石が最古で、およそ6600万年前に絶滅した。翼竜の大きな翼は、前あし(ヒトの腕・手・指にあたる)と胴体・後ろあしにかけて発達した薄い皮膜でできていて、羽毛を主な素材とする鳥類の翼とは異なっていた。また、翼を支えた長い前あしの半分以上は長くのびた薬指で、小さくなった親指・人差し指・中指は地上を歩く時に使い、小指は退化していた。その大きさは、小さい種類だとおとなでも左右の翼を広げた長さ(翼開長という)が50センチほどだが、およそ6700万年前にいた種類の一つは翼開長10メートルに達した。史上最大の飛行動物なのである。

翼竜プテラノドンの全身骨格(ミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵)

翼竜の代名詞とも言える種類はプテラノドンで、見に来た子どもたちの人気も高い。約8500万年前の北アメリカにいて、翼開長は約7メートル、頭骨の後ろにトサカのような大きな骨の突起があった。他の翼竜と同じく肉食性で、口にはクチバシがあったと考えられ、歯は無かった。そして尾は短かった。

展示会場では、プテラノドンなど翼竜9体の全身骨格や生体復元模型が宙を舞う。他にもおよそ3億年前の巨大昆虫メガネウラやムカシアミバネムシ類をはじめ、羽毛恐竜や中生代鳥類、史上最大の鳥類などの化石や復元模型が並んでいる。これらをご覧いただき、太古の地球で様々な種類の動物たちが空に挑戦してきたこと、そしてヒトもその系譜に名を連ねる存在であることを感じていただきたい。

群馬県立自然史博物館 学芸員
髙桒 祐司 さん

1994年から開館準備に携わり、開館(1996年)後は古生物担当学芸員。最近の主な担当企画展は「謎の巨大恐竜スピノサウルス」(2011年)、「超肉食恐竜T.rex」(2016年)、「化石動物園」(2018年)

■群馬県立自然史博物館(富岡市上黒岩1674・1)■0274・60・1200■12月6日まで■午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)■休館日:月曜日(11月23日は祝日のため開館、翌24日休館)■一般610円・高校/大学生300円・中学生以下無料(常設展示も観覧可)■新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため入館は事前予約制、詳しくは群馬県立自然史博物館ホームページを参照 http://www.gmnh.pref.gunma.jp/

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