新春に舞う白球[1月11日号]

新春5日、ALSOKぐんま総合スポーツセンター(前橋市)の広場に、野球ユニフォーム姿の小学生数百人が集いました。高校球児による野球教室。軟らかい球でキャッチボールをしたり、トスバッティングをしたり。お兄さんたちに教えてもらう児童らの瞳は、輝いていました。

催しは、野球の楽しさを再発見し、また「野球ひじ」などの障害を防いでもらいたいと、館林市の慶友整形外科病院など四つの医療機関が開きました。元プロやU12トレーナーらを講師に検診やストレッチ、指導者向け講習など多彩。私も聴講しました。

「こんな選手をつくりたくない」との副題で、医師が挙げた事例は驚きでした。マスコットバットで毎日500回の素振りを課された中学生チームから何人もが腰椎疲労骨折。2リットルのタッパ入り米飯を練習前に食べさせる指導についていけず、小学生が不登校に……。

特に成長期は骨がまだ軟らかく、痛めやすい。講師がくり返し強調したのは、「目先の勝利でなく、選手の将来のために」。土日も長時間練習をせず、オフシーズンをつくり、独自の投球数制限でリーグに挑むボーイズチームの取り組みも紹介されました。

少年野球指導者が集まる講演会場で、学童での球数制限導入について講師が尋ねると、大多数が「賛成」を表明しました。どの指摘も、突き詰めると春夏の甲子園の在り方につながります。「けがを克服」「痛みをおして完投」といった美談仕立ての報道に対しても。大きな宿題を負った新春となりました。

(朝日新聞社前橋総局長 岡本峰子)