東北旅行[3月9日号]

高崎の大学で医療を学ぶ娘が今春、岩手県内の病院で2カ月実習することになった。病院スタッフや患者さんと上手くやっていけるのか、期待と不安が入り混じっているようだが、この機会に便乗して家族で東北旅行に行こうという話が持ち上がっている。

「ここにも行きたいね、何食べる?」と私たち親はのんきにおいしそうなものや、立ち寄りたいスポット探しを楽しんでいる。

実習地の病院は岩手県宮古市。数年前のNHK朝ドラ「あまちゃん」で話題になった復興のシンボル三陸鉄道を始め、カニやカキにワカメなど海の幸、山の幸など観光や名物がいっぱい。なかでも、最も興味があるのが波や風で浸食された海岸が美しい浄土ヶ浜。ダイナミックな岩肌の景勝地で、震災後の13年に復興を目的の一つとして創設された「三陸復興国立公園」の中ほどに位置する。

7年前の3月11日、ちょうど娘の中学の卒業式が終わった午後、群馬でも大きな揺れに見舞われた。東日本大震災によって大きな被害に見舞われた東北地方をいつか訪れ、何かできることをしたいと思っていたが、その願いはずっと叶わなかった。

被災地はまだまだ復興途上と連日見聞きする。思いがけず訪れた東北旅行を機に、群馬にいては出会えない人と触れ合い、豊かな自然の恵みや脅威の痕跡などを自分の目でしっかりと確認し、東北の現状を刻み直したいと思う。

(谷 桂)