柱の陰から[11月22日号]

「令和」「軽減税率」「免許返納」…今年の世相を表す言葉を選ぶ新語・流行語大賞の候補語が発表された。「笑わない男」「ワンチーム」などラグビー関連が多いのは象徴的だ。来月大賞が決まる。

先日、来年のジャパンラグビートップリーグのチケットを入手した。リーチ選手のいる東芝対、堀江・稲垣両選手が所属するパナソニック。激しい攻防や肉弾戦は、やはり生で見たい。

そんな中、高2の息子から思わぬ告白があった。ラグビー部の1月の試合に助っ人として出て欲しいと友人らから懇願され、体験入部をしてきたというのだ。「生まれて初めて『トライ』を経験させてもらった」と目を輝かせている。  華奢な体、奪うより譲るタイプの君には最も縁遠いスポーツでは? 高校生とはいえ巨漢にタックルされたら? 脳内で疑問符がグルグルする。

が、本人の心は決まっていた。「人員不足で部存続の危機にある仲間を救いたい。何より体験して楽しかったから」。そんな入り口もあるのだ。

トップリーグの試合は来年2月。「にわかファン」の母はそれより前に、「友の期待に応えたい」という熱い想いだけでグラウンドに立つ「にわかプレーヤー」の姿を、柱の陰からこっそり見守ることになりそうだ。

(上原道子)