無党派層の選択[10月27日号]

少女期以来に芸能人のファンクラブに入りそうになりました。元SMAPの3人が9月に立ち上げたサイト「新しい地図」です。「逃げよう。自分を縛り付けるものから」「塗り替えていこう」「自由と平和を愛し、武器は、アイデアと愛嬌」「さあ、風通しよくいこう」。メッセージが50秒の動画とともに流れます。

会員数は非公表ですが、瞬く間に入会が相次いだそうです。3人は、紆余曲折を経て大手芸能事務所を離れ、活躍の場を案じられていました。業界慣行の強いテレビにこだわらず、まずはネット番組などで重点的に活動する計画に、私も「頑張れ!」と伝えたくなりました。判官びいきです。

今月22日に投開票された衆院選は与党の圧勝。県内は全5区を自民が独占しました。他方、立憲民主が野党第1党となる躍進をしました。県内で朝日新聞社が行った出口調査によると、無党派層の3割が、比例で立憲に投票したと答え、希望や自民を上回りました。

希望公認にあたっての「踏み絵」や「排除の論理」が、排除された側の立憲への同情を誘引した面もあるでしょう。同時にツイッターなどで流れる立憲の映像も、無党派層の心理を突いていたと感じます。「上からでなく、下からの民主主義」という言葉や、代表が街宣車に立たず路面で行う「下から」の街頭演説です。

冒頭のファンサイトで今月半ば、新たに公開された動画はこう言います。「道なき道をいこう」「もしも迷ったら 耳を澄まそう」。改憲、安保、財政、森友・加計問題。衆院解散前から変わらぬ焦点を、誠実に議論する政治を望みます。(朝日新聞社前橋総局長 岡本峰子)