猫[9月8日号]

空前の猫ブームと言われるが、この流行に乗ったわけではない。珠算を習う長女と約束してしまったのだ。「段が取れたら猫を飼う」―娘は2度目の挑戦で晴れて合格、先週ついに猫が我が家にやってきた。

縞の入ったメスの三毛。推定年齢は約2・5カ月。一家全員「猫」初心者のため、飼育の必需品から接し方まで分からず仕舞いで右往左往。一方、猫は一週間たち新しい環境にも慣れ、食餌もトイレも順調だ。甘えて「アン、アン」と鳴くので「餡(あん)」と名づけた。

一昨年に新設された県動物愛護センターの譲渡事業でゆずり受けた。同センターHPには日々、譲渡可能な猫の姿が親しみやすいニックネームとともに紹介され、希望者は講習と面談を経て登録完了後、初めて猫と「お見合い」できる。だが、ペットを迎えるというワクワクした気持ちとは裏腹に、講習会で殺処分の現状について知り愕然とした。

昨年度は同センターに持ち込まれた猫1728頭のうち9割が殺処分。野良猫以外にも高齢や引越し、出産など、飼い主の都合で連れて来られる猫もいるという。我が家のこの子も、貰い手がなかったら悲しい運命が待っていたかと思うと胸が痛くなった。

平均寿命は約15年。中には20年以上生きる猫もいるとか。食べ物の名前は長生きするとも聞くが、新しく家族の一員となった小さな命を最期まで大事にする覚悟を持ち、末永く仲良く暮らしていきたい。

(上原 道子)