祖父母の家の取り壊し[11月10日号]

先月、下仁田町にある築70年近く経つ父方の祖父母の家を取り壊した。祖父は3年前に、祖母は昨年他界。2人暮らしだったので、空き家状態になっていた。祖母の新盆で近所の人や親戚を招くために残していたが、この夏で区切りがつき更地にすることになった。

南牧村近くの国道沿いにあった祖父母の家は「日の出屋」の屋号で魚や野菜、果物や生活用品、駄菓子やアイス、ジュースなど様々なものを売っていた。遊びに行くと店にあるお菓子が食べ放題。レジ打ちや商品の値段シール張りなど、祖母の手伝いをしたことも。また、祖父とは川に釣りに行ったりベランダでバーベキューをしたり、思い出は尽きない。

国勢調査によると、下仁田町の人口は減り続けている。1980年は約15000人だったが、2015年には約7500人と35年間で人口が半数に。一方、65歳以上の高齢者の割合は増加の一途を辿り、80年の13・6%から15年には45・5%に急増。少子化や首都圏への人口流出など様々な問題を抱えているが、自然豊かで下仁田ネギやコンニャクなど名産もいっぱい。虫採りや川遊びなど、少年時代の楽しい日々を私に思い出させてくれる地域の魅力を、弊紙を通じて発信し、微力ながら活性の一助になれればと切に思う。

取り壊す前に、生後4カ月の娘を初めて連れて行った。帰り際、いつも窓越しに手を振りながら見送ってくれた祖父母の姿が、この日もあったように感じた。

(林 哲也)