落語の魅力[7月14日号]

今は「平成落語ブーム」。首都圏の落語会は月1000件以上、10年前の倍だという。私は弊紙3面のイベント紹介コーナーを担当しているが、県内でも落語関連情報は年々増えていると感じる。
ブームとされるよりずっと前の08年春、高崎市鞘町に寄席小屋「まちなか寄席・高崎扇亭」が約2カ月限定で出現した。「全国都市緑化ぐんまフェア」の一環で、約70人の落語家が出演する贅沢な企画。全国的にも珍しいと話題になり、私も家族と共に足を運び、すっかり落語ファンになった。
もと喫茶店だった会場では、観客と演者との距離が近い。緊張している若い落語家を観客が温かく励ましたり、「色もの」と呼ばれる芸人が観客とからんで笑いを誘ったり、その場の空気を共有するライブの醍醐味を大いに楽しんだ。そもそも落語家は客の様子を見定め、どのネタを演じるのかを決める。その話芸で場の空気をガラリと変え、聞き手の脳裏に物語の情景を描きだす。こうした魅力が、渇いた現代社会に潤いを与え、ブームに繋がったのだろう。
今月29日には、高崎の日帰り温泉「湯都里」と弊社共催の落語会「湯ったり寄席」が開かれる。高崎出身の林家つる子さんと実力派の若手・柳亭市童さんが出演、高座体験も温泉も楽しめるユニークなイベントだ。「笑い」と「温泉」で心と身体を癒し、この夏を乗り切ってはいかがだろうか。

(野崎 律子)