蚕糸と男女別学[9月8日号]

初夏に映画「紅(あか)い襷(たすき)~富岡製糸場物語~」の前売り券を買いました。試写会に行こうと入手したのですが、都合がつかず断念。待ちかねていた一般公開が、全国に先駆けて10月7日から前橋と高崎で始まります。

「紅い襷」は優れた工女のしるしだといいます。主人公のモデル横田(和田)英は、明治初期に富岡製糸場で修練した女性。回想録「富岡日記」で知られます。「一等工女」となり、長野・松代に戻って民間初の仏式器械製糸場で技術指導をしました。先進的なキャリアウーマンです。

こうした蚕糸産業での女性の活躍が、群馬に多い「公立高校の男女別学」に結びついているという説を、今月5日の朝日新聞で読みました。リーダー育成も期待され、早くに高等女学校を設立。伝統が築かれ根付き、戦後の教育改革を経ても残った、と書かれます。

関西出身の私にとって、男女別学は私立のイメージ。公立で性別による入学制限があることに驚きました。群馬、栃木、埼玉に特異的に残っていることは、北関東に赴任して知りました。

とは言っても、わが母校の県立高でも2年から文理別をとったため、文系に女子組、理系に男子組ができました。女子組だった1年間も楽しかった。一方、今も続く男女問わない級友や部活の仲間との交遊や学びもかけがえないものです。群馬県は、少子化に伴う再編統合の中で、男女共学を次第に進める方針です。積極的にデータを集め、是非を激論しては? と考えるのは、私だけでしょうか。(朝日新聞社前橋総局長 岡本峰子)