「残る」もの届ける意義

前橋西部 所長

佐藤信彦

ASA前橋西部所長の佐藤信彦です。県朝日会の企画委員長として高校野球や吹奏楽コンクールなどを盛り上げたり、野球写真展やサッカースクールなどを運営しています。

ニュースや物事を伝える速さはネットが優勢ですが、新聞にも「残る」という優れた点があります。私は新聞を夕方読み、気になった記事を日記代わりに手帳へ貼っています。最近心に残ったのは6月17日のスポーツ欄。重要な打席でバットを折るピンチに遭いながら、それを逆転サヨナラ打に変えたロッテの鈴木大地選手の記事です。折れたバットを手に微笑む姿は、失敗をあきらめず成功に変えた例として大いに勇気づけられました。先日は高校生の投書。泣く子にスマホを向ける親に憤る内容で、若者ながらしっかりした考え方に唸りました。

手帳には感想やアイディアを書いた付せんも貼るので、一冊が終わるころにはパンパンです。この習慣は20年続いており、本棚には膨れ上がった手帳が山積み。たまに昔のものを読み返すと、今と変わらぬ考え方に苦笑したり、逆に思わぬヒントを得たりと、大切な情報源になっています。亡き父には「仏壇を拝み、新聞を読み、日記をつけるように」と言われてきました。時代は変わっても子孫に伝えることは変わりません。小3になる我が息子にもと、常に触れられる場所に新聞を置いています。多くの人の手を経て完成する新聞。私はそのアンカーとして、世に出す意義を感じています。流れ去るものでなく残るものをお届けする。そんな気持ちです。

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