ハイキング[5月11日号]

「お金を使わずに、脂肪を燃焼させたら」と夫に提案され、GWは夫婦で高崎市吉井町にある標高491メートルの牛伏山をハイキングした。「目指せ体重マイナス1キロ」と勇んで出発。

遊歩道から入り、まさに牛の背のような尾根を登る。約1時間半で山頂へ。高崎市街地が一望でき、とても気持ちがいい。素晴らしい景色を眺めながら、ほおばったシンプルなおにぎりもおいしかった。

登りとは違うルートで下山。途中、若いカップルと笑顔ですれ違った後のことだった。「登山道がない!」 どこをどう間違ったのか、腐葉土の積もった急斜面と朽ちた樹木やツタ状の林ばかり。平気を装っていたが、お互いに口数も少なくなった。

半ズボンの夫はすねから血を流し、自分も斜面で足を滑らせ目の前の根っこを必死でつかんでいた。一面に広がる原生林は、以前観た映画「ジュラシックパーク」でのワンシーンを彷彿とさせた。

「やっぱり戻ろう」と判断し、スマホを頼りに必死で道を見つけ出し、どうにか駐車場に到着。通常往復2時間のルートをトータル4時間半もかかってしまった。夫婦ともども疲れ果て、下山後の夕食は外食に。パスタに加えデザートまで食べてしまい、お金は使うわ、当初の「脂肪燃焼」計画も御破算に。

ハイキングもダイエットも甘くない。今度はきっちりと下調べをし、装備を整え、準備万端で臨もうと思う。

(谷 桂)

掲載内容のコピーはできません。