プレーオフ進出までM8


バスケットボール男子Bリーグ2部、群馬クレインサンダーズの選手に注目したコラム。

諦めない姿勢と満足しない姿勢が勝率・946の要因

群馬クレインサンダーズの快進撃が止まらない。2017―18シーズンに秋田ノーザンハピネッツが樹立したB2リーグ連勝記録22を更新。2月6日現在33連勝と連勝記録を更新中だ。また37試合を終えた時点で35勝2敗と、勝率・946というB2リーグで圧倒的な強さを見せている。今季、「前人未踏」というスローガンを掲げ、全60試合でわずか5敗しかしないという高い目標を設定したサンダーズ。残り23試合でその目標も達成しそうだ。プレーオフ進出までM8、東地区優勝までM14となり、B1昇格、B2優勝が現実味を帯びてきた。

豪快にダンクシュートを決めるマイケル・パーカー。2月5日の奈良戦では、チーム最多の13得点を挙げた(ヤマト市民体育館前橋)

今季のサンダーズの強さを物語る試合があった。1月30、31日にアウェイで行われたファイティングイーグルス名古屋(以下、FE名古屋)戦。第1日目のFE名古屋との対戦は96―69と、西地区1位の相手を圧倒。だが翌日の2戦目は、試合開始から相手の厳しいプレッシャーを受け、シュートをことごとく外した。第1Qでわずか10点しか取れず、第2Q途中で16―36と今季初めて20点をつけられたが、1月に加入したばかりの特別指定選手・杉本天昇(日本大学4年)が3ポイントシュートを連続で決めるなど、何とか相手に食らいついた。

56―69で迎えた第4Q。残り5分でようやく、マイケル・パーカー、ジャスティン・キーナン、野﨑零也が連続得点を決め、残り2分で78―83と5点差まで詰めたサンダーズは、そこからさらに集中力を高め、最終的に87―83でFE名古屋を下した。

連勝記録が30で途切れるかと思われた試合で、残り1分で同点に持ち込み、最後に勝利をつかんだ要因は、選手たちが最後まであきらめずに粘り強く戦ったこと、そして、選手たちの修正能力の高さが挙げられる。

勝率約9割5分という数字を残していても、選手たちにおごりや気の緩みはない。「相手はもっと自分たちを分析してくるだろうし、群馬を倒したいというチームが増えてくるから、前半戦よりももっと難しくなる」と皆、気を引き締める。そうできているのは、シーズン開幕前に行われたプレシーズンマッチ4試合をすべてB1のチームと対戦し、1試合も勝てなかったことが影響している。平岡HCは、「B1に上がっても、翌年B2に下がってくるレベルでいいのか。B2で勝つのは当たり前で、B1でどれだけ勝てるかというチームを目指さなければいけないんじゃないのか」と選手たちに語り掛け、それを皆が理解しているからだ。

そしてもう一つ、リーグ後半戦に入り、チームはさらに結束力を高めている。2月6日のバンビシャス奈良戦の第3Q終盤に、ベンチに下がったブライアン・クウェリが〝We can do more!(もっとできるよ!)〟と大声でコートに立つ選手たちを鼓舞していたのが、今のチーム状態を現している。

あと残り23試合。敗戦数を5以下におさめ、日本バスケットボール界に新たな歴史を刻むのか――。群馬県民として、奮闘し続けるチームにエールを送ろうではないか。   (星野志保)

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