不登校の小中学生に居場所を

のじゅく (伊勢崎)

不登校支援として、この日は観光農園で芋掘りをする。大人だけの参加もある

増加している小中学生の不登校の子どもたちを支援しようと、居場所作りが群馬県内でも広がっている。

伊勢崎市で放課後児童クラブを運営する山田千広さん(44)が代表を務める「のじゅく」はその一つ。2018年春に学童クラブや塾、PTAの関係者など市民が、無償ボランティアを買って出て、同市曲輪町の放課後児童クラブ「こどもNみかた」内に開設した。第2、第4水曜日に月2回開催し、活動内容は、「遊び」を中心とする。

10月下旬には、スタッフ含む17人で、午前10時から市内の畑に行って、さつま芋掘りをした。その翌々週には収穫した芋を、アルミホイルで巻いて、火を焚いて焼き芋にして味わった。他には、工作、ピザ作り、リース作りやボードゲーム大会などいずれも、好奇心や向学心を促すワークショップを行う。子どもの参加はもちろん、親子や保護者だけの参加も歓迎する。また、ワークショップではなく「本が読みたい」などの参加者の要望にもその場で相談して応じながら実施する。参加した保護者は「自らの経験が他の人にも役立つようです。支え合うこの場所が好きで、親の自分だけでも通っています」と話す。「何か一つでも成功体験があり、自己肯定感が持てると生きる力が育ちますね」と山田さんは力をこめる。

子どものサポートをする代表の山田千広さん

学生時代に心理学を学んでいた山田さんは、フリースクール「新座自然宿」と出合い不登校や引きこもりの子どものキャンプに参加し、スタッフとしても活動。「のじゅく」の名は、その「新座自然宿」の「宿」と「塾」を組み合わせて付けた。

「不登校の子どもを一人にさせない小さい支援の輪を作りたいですね。まずは居場所作りやみんなで作って食べる共食、さらには学校に戻り進学できるような学習支援をしています。保護者も子どもも、困ったときに思い出してもらい、足が向くような、『安全基地』になればいいですね」と山田さんは意気込む。(谷 桂)

■のじゅく
第2、第4水曜日、10時から、12月の活動は9日のみ。支援対象は、小中高校生、それ以外は応相談。利用料は無料
https://www.facebook.com/nojuku.isesaki/
問い合わせは、山田さん(090-5755-3627)へ(仕事中で出られないことあり)。

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