八ッ場を巡ろう

新スポットで遊ぶ・食べる・集める

今春、長野原町の八ッ場ダムが完成し運用を開始した。ダム湖は公募により「八ッ場あがつま湖」と命名され、ダムの堤体や展望台から景色を眺めるほかにも、多様な楽しみ方ができるよう整備が進んでいる。今週は、資料館やキャンプ場、食事処などダム湖周辺に誕生した施設などを中心に、遊んで食べて集めて楽しむ「新観光スポット」を紹介する。

①ようやくオープン

なるほど!やんば資料館

八ッ場ダム(長野原町)を紹介する「なるほど!やんば資料館」が、先月1日、国土交通省八ツ場ダム管理支所内に開館した。4月オープンの予定が、新型コロナ感染の影響で7カ月遅れになった。資料館は、建設の役割や歴史、ダムの構造や技術、地域と連携した取り組みなどを大型パネルやジオラマを使って解説している。役割や歴史のコーナーでは、ダム計画が浮上した約70年以上前から始まる年表や、ダムに水没した地区を示す模型もある。2階にはダム本体が見られる展望バルコニーも設置されている。利根川ダム統合管理事務所(前橋市)の塩谷浩副所長は「放流ゲートの実物大のイラストも見どころの一つです。ぜひ足を運んでください」と話す。
■なるほど!やんば資料館/八ッ場ダム管理支所内/開館時間午前10~午後4時/休館日、年末年始/入館無料/電話:利根川ダム統合管理事務所地域連携課(027-225-7676)。

*遊ぶ ~オトナも、コドモも、ワクワク

②旧長野原町役場 外観を再現

八ッ場湖の駅 丸岩

八ッ場のシンボル的な山「丸岩」のふもと、ダム湖にかかる丸岩大橋近くに先月オープン。旧長野原町役場を模したレトロでモダンな外観が目を引く。1階「地元食堂 てんぐ松」では、地元の食材たっぷりの「きのこうどん」や「けんちんうどん」などアツアツメニューを提供する。売店では、地元民による手作り雑貨を販売。2階には町長室が再現され、席や応接のソファーに自由に座り町長気分を味わえる。屋外にはドッグランや幼児用の遊具も。さらにダム湖の新アトラクション「水陸両用バス・八ッ場にゃがてん号」(現在は冬季休業中。来年4月中旬頃~再開予定)の発着点にもなっている。入場無料。同施設(0279-82-5056)。

③雨でも遊べる!

八ッ場屋内運動場

テニスコート(3面)、ゲートボール(同)フットサル、グランドゴルフなどが楽しめる人工芝の屋内運動場施設が今春オープン。会議や卓球、囲碁、輪投げ、麻雀などができる多目的室のほか、子ども用の遊具室も。更衣室完備。利用料は一般2000円(テニス1面1時間あたり)~。予約優先。第1水曜休み。同運動場(0279-82-5035)。

④旧吾妻線を自転車トロッコで

吾妻峡レールバイク アガッタン

ダム建設に伴う付け替えで廃線となったレール上を、横に連結させた2台の電動アシスト付き自転車のペダルをこいで吾妻峡沿いを走る「アガッタン」の運行が、今月20日までの土日限定で行われている。往復3.2㎞。全長7.2mの「日本一短い鉄道トンネル」も通る。1日4回。1往復1台2000円。要予約。東吾妻町まちづくり推進課(火~木曜=0278-68-2111、金~月曜、祝日=同26-9431)。

⑤アウトドアレジャー多彩

川原湯温泉あそびの基地NOA

JR川原湯温泉駅近くに今夏誕生。キャンプ、バーべーキュー、温泉、水上アクティビティーなど多彩に楽しめる複合施設。毎月第3土曜は群馬県民に特別サービスを行う。今月20日は「CAMPランタン&ライブ(入場無料)」を行う。また現在全てのプログラムが体験できる大人のキャンププランも実施中。同キャンプ場(090-6942-1223)へ。

 

*集める ~シロマニア、ダムマニア、あつまれ!

◆御城印
人が創りし屈強の壁城

近年ブームの御城印が八ッ場にも登場。長野原町や観光団体などでつくる一般社団法人「つなぐカンパニー」が先月、ダムファン、歴史ファンともに楽しめる御城印2種類の販売を開始した。下流地域を水害から守る八ッ場ダムを現代の「城壁」と見立てた「八ッ場ダム御城印」(500円)は、川原湯温泉あそびの基地NOA内にある「ら♪ら♪らステーション」で販売中=写真左。また、戦国時代に山城があったとされる、円筒形の岩山「丸岩」をデザインした「丸岩城御城印」(300円)=写真右=は、八ッ場湖の駅丸岩で購入できる。問い合わせは、同法人(0279-82-5895)。

◆ダムかるた
県内44ダムで配布中! 八ッ場は「む」の札

県では、水源であるダムをもっと知ってほしいと、県内の44ダムと連携して「ダムかるた」を作成、5000組限定で配布している。配布は4月に始め、コロナの影響で一時中止していたが、11月から再開した。取り札の表面にダムの堤体写真、裏面にはダム情報が書かれている。読み札は、ダムの特徴を575調で言い表している。配布は2枚1組で1人1組限り。配布場所は、管理支所内の「なるほど!やんば資料館」。午前10時から午後4時まで(年末年始は休館)。

◆ダムカード
最新版Ver.1.0提示しクリアファイルをゲット

ダムマニアに人気が高いダムカードは、国土交通省と水資源機構の管理する全国のダムで2007年に配布開始。表面に堤体の写真を掲載。裏面では型式やゲートの種類などを紹介する。八ッ場ダムでは完成前に工事中の写真を段階的に発行し配布していたが、最新版では、完成したダムの堤体が登場。かるた同様、一時中断していた配布を11月から再開した。やんば資料館では無条件に無料配布。一方、道の駅八ッ場ふるさと館、長野原・草津・六合ステーションなど6カ所では、ダムへ訪れた証(写真)を提示するともらえる(各施設の営業時間内)。地元の協賛店で、500円以上の支払い時に最新版カードを提示すると、レアなクリアファイルがゲットできる。

 

*食べる ~ダムをみてハラもみたす

⑥資料館の目の前に

やんば茶屋

八ッ場ダム堤体近くに10月にオープンしたばかりの土産と食事処の店。ダム湖を望みながら、地元産の豚肉や卵をトッピングした3種類のラーメンが味わえる。三種類のケーキを盛り合わせたコーヒーセット(500円)が人気。近日、和菓子と抹茶のセットも登場予定という。売店コーナーではお土産も豊富。

⑦ダムカレーやダム焼きが名物 ダム湖を望む足湯も人気

道の駅 八ッ場ふるさと館

八ッ場あがつま湖畔に佇む道の駅「八ッ場ふるさと館」。地元の特産品や新鮮野菜をそろえた「八ッ場市場」や食事を提供する「八ッ場食堂」や「自家製粉蕎麦やまと屋八ッ場本店」、店内の焼き立てパンが人気の「Yショップ」など多彩な店舗が揃う。中でも人気ナンバーワングルメは、「ダムカレー」。地元の舞茸入りの辛口(850円)とゴロゴロの野菜入り甘口(700円)の2種類。八ッ場ダムの提体を忠実に模して作った白い「仕切り」が八ッ場ならでは。昨年登場した「ダム焼き」は生地の間に具材やあんを挟んで焼いたもの。地元産キャベツたっぷりのお好み焼き味のほか、小倉あん、カスタードの全3種類(いずれも250円)。表にダム本体の模様、裏に「YAMBA DAM」の文字が浮き上がるようにに焼かれている。ダム湖を臨みながら、足湯に入ってのんびり楽しめる。日没後はイルミネーションも。

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