吉田尚令さんが描く宮沢賢治の世界 

前橋のフリッツ・アートセンター 14日まで

前橋市のフリッツ・アートセンターでは、宮沢賢治の童話「鳥箱先生とフゥねずみ」の原画展を開催中。独特の世界観をもつ宮沢賢治作品と、現代の人気絵本作家との新たな出会いを創り出す「宮沢賢治絵本シリーズ」の最新作で、原画をイラストレーターの吉田尚令さんが手掛けている。14日まで。

多くの未発表原稿を残し、評価されることなく37歳で世を去った賢治が生前出版したのは、童話集『注文の多い料理店』と詩集『春と修羅』のわずか2冊。

1987年に刊行が始まったこの絵本シリーズは、各作品ごとに異なる画家が賢治作品の解釈に挑んでおり、同センターでの原画展としては32作品目となる。「鳥箱先生とフゥねずみ」には、賢治の教育への絶望と強烈な皮肉が込められており、同センターの小見さんは「失敗を許さない教育に警鐘をならす、賢治からのメッセージ。今の時代だからこそぜひ見てほしい」と話す。午前11~午後6時。火曜定休。入館無料。問い合わせは同センター(027・235・8989)へ。

掲載内容のコピーはできません。