地域文化や人の営み紡ぐ 現代アートを楽しんで!

中之条ビエンナーレ 23日まで

県指定重要文化財の神保家(通称やませ)に展示されている岩塚一恵の作品

2年に一度のアートの祭典「中之条ビエンナーレ」が、23日まで開催中だ。町内6エリア(中之条伊勢町、伊参、名久田、四万、沢渡暮坂、六合)50カ所に、国内外150組のアーティストによる個性豊かな作品が点在。会期中、パフォーマンスやワークショップなどイベントも盛りだくさんだ。

商店街や温泉街、県指定重要文化財の住宅、旧校舎など至るところに平面や立体、映像、写真、インスタレーションなどが展示されている。参加アーティストは地域に滞在し、住民と交流しながら中之条ならではの風景や風習、歴史などを取り込んだ作品を創り上げた。総合ディレクターの山重徹夫さんは、「作家にはその時その土地でしか作れない作品を発表してもらっています。地域によって異なる文化や人々の営みを紡いだアート作品を楽しんで」と話す。

アートを身近に感じてもらおうと、会期中は様々なイベントが繰り広げられる。アーティストトークや、太陽光と感光紙を用いて写真を撮るワークショップ、ブラジルの格闘技カポエイラ体験など誰でも参加できる企画が目白押し。

イサマムラに飾られている飯沢康輔の作品と、山重徹夫総合ディレクター(写真中央)と「DamaDamTai+」メンバー

また、パフォーマンスユニット「Dama Dam Tal+」が会期中毎日、各エリアに出没、「砂塵旅行団」と称し様々なパフォーマンスを展開。みきたまき代表は、「時空を超え中之条やってきたという架空の設定で、メンバーが道行く人に話しかけたり急に踊りだしたり色んなことを仕掛けていく。人々の日常も旅のようなもの。我々のパフォーマンスに触れ、日常の延長上にアートがあると感じてもらえたら」と微笑む。

7回目となる今回は、新たにエデュケーションプログラム部門を設置。学校や介護施設などで事前ワークショップを行い、そこで制作した作品を展示している。地域住民とアーティストとの交流を密にし、アートに親しみをもってもらうのが目的だ。さらに、鑑賞を通して町の豊かな観光資源を広く知ってもらおうと鑑賞パスポートに周遊チケットを初めて付けた。町営の温泉施設や飲食店、赤岩重伝建地区などで特典が受けられる。

パスポートは1500円、高校生以下無料。中之条役場と伊参エリアを結ぶ無料シャトルバスが運行。土日祝日限定の日帰りバスツアーも(要予約、一般3000円)。同実行委事務局(0279・75・3320)。バスツアーは同町観光協会(同・8814)へ。

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