夏休み[今月7日付けの朝日ぐんまの山特集…]

今月7日付けの朝日ぐんまの山特集。その山頂からの景色を映した写真を目にした瞬間、「日光白根登山と丸沼高原キャンプ」というわが家の夏休みプランが決まった。何をするにも「コロナに気をつけて!」という枕詞がつくこの夏。閉塞感漂う日々、社会に蔓延する殺伐とした空気にも辟易していた。コロナと暑さで家に閉じこもりがちな子供たちも、開放的な場所に連れて行ってあげたかった。

夏の丸沼高原は、日差しは強いが涼しく、2泊3日を気持ち良く過ごすことができた。散歩をしたりキャンプ場内にあるアクテビティを利用したり、日中は思い切り体を動かし楽しんだ。夜は焚き火と満天の星空観察。ふだんゲームばかりの中学生の息子が、熱心に火の世話をする姿をぼんやり眺めながら、コロナ前の平凡極まりない日常の儚さを思った。

登山の結果は―。夫と息子は無事登頂。途中少し体調を崩した娘に付き合い、私は残念ながらリタイヤとなった。写真の景色には辿り着けなかったが、久しぶりの登山は楽しかった。悔し泣きする娘に無理は危険と諭して下山させたが、息子からは「自分が下りたかっただけじゃないの?」と疑われている。

(塩原亜希子)

 

 

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