大人と子ども一緒になって危機を乗り越えよう!(Vol.165)

3月の一斉休校要請から子供たちを取り巻く生活環境が一変した。森林インストラクターとして子どもたちへキャンプや工作など自然体験を提供している私には、「何もしてあげられない」もどかしい時間が続いた。

家で過ごす子供たちに「何か体験を届けられないか」と情報を集めていると、友人のチアリーディングの先生のSNSの投稿が目に入ってきた。そこには、自分で考えた振り付けを動画に撮り、先生に送っている子どもの姿があった。さらに、新聞記事には、プログラミング教室で習った技術を使い、手を触れず消毒ができるシステムを作る子どもの姿も。「何かしてあげられないか」と考えていたが、子どもたち自身が既に楽しく乗り越える方法を「自分たちで考え、行動」していることに気付く。私は、「自分たちも頑張っているよ!」と言わんばかりの子どもたちの姿を見て、家で過ごす彼ら彼女たちにエールを贈ることにした。

エントリー作品の一つ「ウクレレでイントロクイズ!」

そこで考えたのが、「家ですごそうムービーアワード」である。自然体験を仕事にする知り合い4人と4月に実行委員会を発足。メンバーと共に考えた企画は、動画配信サイトに休校中の子供たちの姿を動画で投稿してもらい、素敵な作品には景品をプレゼントするというもの。景品や運営資金はクラウドファンディングで募り、支援してくれた人には作品に投票してもらうことにした。

家や庭などでの過ごし方、コロナを乗り越えるアイデア、新しい挑戦など50本のエントリーがあり、投票に迷う程の力作が集まった。どの作品も、子どもたちの発見、笑顔、両親や友だちとの交流など、心温まるものばかり。アワードのホームページには、多彩なアイデア動画が7月までアップしてあるので、是非、見て楽しんでほしい。

新しい生活様式の中で、ストレスを感じている子どもも少なくない。大人と子どもが一緒になって考え、子どもたちが活躍できる時間や場所をこれからも作っていきたいと思っている。

※家ですごそうムービーアワード https://peraichi.com/landing_pages/view/gunmaathomeaward

家ですごそうムービーアワード実行委員会
代表 山田 裕久

【略歴】1987年千葉県(浦安市)生まれ。2012年、群馬大卒業後、(公財)ぐんまYMCA、国立青少年教育施設の仕事を経て、サンデンフォレストに勤務。同社で自然体験や社会科見学のガイドに携わる傍ら、ボランティアで野外教育や木工活動に精力的に取り組む。2020年4月、コロナを受けボランティア仲間と共に「お家ですごそうムービーアワード」実行委員会を立ち上げ、ムービーアワードなどを企画

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