大河主人公 明智光秀と沼田藩土岐氏

両者の深い関わり示す特別展

槍、書状など25点  18日まで 沼田

光秀から定政に贈ったとされる「血吸銘の槍」(同資料館所蔵)
定政が常に背負って戦い勝利を得たという「勝軍地蔵尊」(沼田市下川田町の東禅寺所蔵)は土岐氏の守り本尊となった

大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公で話題の戦国武将・明智光秀(1528?~82年)と、江戸時代に12代129年にわたり沼田藩主を務めた土岐氏との関係を紹介する特別展「沼田藩土岐氏と明智光秀」が、沼田市史資料館(テラス沼田2階)の常設展示室の一角で開かれている。18日まで。

土岐氏は清和天皇を祖とする源氏の一族で、美濃国土岐郡(現・岐阜県土岐市)に住んだことから名乗ったといわれる。初代藩主・頼稔(1695~1744年)から12代にわたり沼田を統治したことでも知られる。近年、土岐家中興の祖である定政(1551~97年)の一代記「土岐定政伝」など複数の資料から定政と光秀が「従兄弟」であるという記載が見つかり注目されている。

同展では、光秀が定政へ贈ったとされる「血吸銘の槍」や、光秀と定政の祖父との間に確執があったことがうかがえる書状のほか、定政が徳川家康から預かり背負って戦い勝利したという逸話が残る地蔵尊など、常設の関連資料もあわせ全25点を展示。

同館の小林由香里学芸員は「『血吸銘の鎗』は、土岐家に伝わる『家傳秘蔵品目録』にも記載がある貴重な資料。また、勝軍地蔵尊は、所蔵する東禅寺さんの協力で会期途中から急きょ展示コーナーを設けました。どちらも必見です」と話す。

定政が兜に着けていたとされる「鹿角形脇立」(同資料館所蔵)

藤岡から訪れた小林亮さん(72)、輝子さん(72)夫妻は、「土岐氏と明智光秀に関わりがあったとは知らなかったのでびっくりしている。大河ドラマを見るのが楽しみになりました」と興味深そうに資料をのぞき込んだ。

明日8日午後1時半から、元群馬県立歴史博物館次長の小野瀬和男さんが「明智光秀からの贈り物」と題し講演する(要観覧料)。なお、現在ロビーでは、土岐沼田藩の家臣で家老職などを務めた一族・正木家(前橋)が、昨年同館に寄贈した甲冑や肩衣(武家の公服)などを展示中。

一般220円。中学生以下無料。水曜休み。同館(0278-
23-7565)。

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