故郷の風景「桃ノ木川」描いた新作14点発表

地元で個展 前橋で16日まで

創作の原点を見つめて… 須藤和之さん

故郷の風景「桃ノ木川」を描いた新作と須藤さん=前橋

前橋出身の日本画家・須藤和之さん(81年~)の個展「桃ノ木川」が、16日まで同市の画廊翠巒で開催中だ。創作の原点ともいえる、故郷の風景を描いた新作を発表している。

須藤さんは東京藝大大大学院美術研究科博士課程修了後、美術館や画廊で精力的に作品を発表、第3回前田青邨記念大賞展奨励賞など数々の賞に輝く。卓越した技法とダイナミックな構図による画風で、高く評価されている。

「桃ノ木川の風」

今展では、前橋中心部を流れる桃ノ木川を描いた14点を展示。高校時代、前橋の南に位置する母校まで片道1時間近くかけて自転車通学していた須藤さんは、道中にある桃ノ木川を毎日のように眺めていたという。「赤城山麓近くの自宅から通学途中にある桃ノ木川橋を渡ると、風景がガラリと変わるんです。単なる日常の風景とは明らかに違う。僕にとって一番、思い出深い場所」と振り返る。

会場には、繊細な筆致と鮮やかな色彩で桃ノ木川を表現した新作が並ぶ。「今回の個展で、高校時代に何気なく見ていた故郷の風景が僕の創作の原点だったと再認識できました。季節や天候によって異なる表情を見せる桃ノ木川と川面を渡る風を感じて」と須藤さん。同画廊(027・223・6311)。

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