東京2020五輪 聖火リレー

群馬は30、31日 福島→栃木→群馬→長野→岐阜…

群馬県での東京2020五輪聖火リレーが30、31日に行われる。25日から福島県を3日間かけてめぐり栃木を経てついに群馬へやってくる。今週は、1年越しで実現する県内での聖火リレーを特集。聖火が通る市町村や走者の顔ぶれを紹介する。

2日間で15市町村 「密避けて」 ネット中継あり

聖火リレーは25日に福島県でスタート。「Hope Lights Our Way/希望の道を、つなごう。」をコンセプトに全国をめぐり7月に東京へ到着する。群馬は3県目。2日間で15市町村、全35・1㌔の道のりを173人が約200㍍ずつ走り、次のランナーとトーチ同士を近づける「トーチキス」によって聖火をリレーしていく。市町村間は車両で移動するため専用ランタンに火を移す。

30日は、館林市のつつじが岡公園で出発式。その後、大泉町、太田市、上野村、桐生市、伊勢崎市を経て前橋市へ。県庁前から出発し前橋公園で初日の日程は終了する。

翌31日は、渋川市の伊香保温泉石段街を出発し、草津町、沼田市、川場村、長野原町、藤岡市、富岡市を経て高崎市のGメッセ群馬でフィニッシュ。その後は長野県、岐阜県へと続いていく。

各日の出発やゴールの地点となる市(館林、渋川、前橋、高崎)では、出発式や聖火到着を祝うセレブレーションが行われる(事前申し込み終了)。また、どの走者がどの区間を走るかについては当日の出発直前まで非公表。また、全区間のリレーの様子は、両日ともNHKの聖火リレー特設ウェブサイト( https://sports.nhk.or.jp/olympic/torch/)のライブ配信で見ることができる。

聖火リレーの県実行委は「自粛は呼びかけないが、密を避けるためできるだけネットや、自宅から近い場所でエールを送ってほしい」と呼びかける。なお、リレー中は周辺で交通規制が行われる(う回路への誘導は各スタートの約30分前から)。

タレントやアスリートら 著名人も多数

ランナーは公式スポンサー4社と県がそれぞれ募った。県ゆかりの著名人も多数。出発地の館林市では青森大学副学長でエッセイストの見城美枝子さん(同市出身)、テレビ番組プロデューサー・清水紀枝さん(伊勢崎市出身)らが、八ツ場ダムのある長野原町には俳優の町田啓太さん(東吾妻町出身)、藤岡市ではラジオDJの内藤聡さん(同市出身)が走る。

スポーツ選手では、ラグビー選手の堀江翔太さん(太田市在住)のほか、IOC名誉委員でアルペンスキー元選手(コルチナ・ダンペッツオ五輪銀メダリスト)の猪谷千春さん、アルベールビル五輪でスピードスケート銀メダリストの黒岩敏幸さん、ロンドン五輪でレスリング銅メダリストの松本隆太郎さんらオリンピアンも名を連ねる。1998年の長野冬季五輪ノルディック複合日本代表で、2日目に草津町を走る荻原次晴さんは、「また五輪に関われて光栄です。トーチを持って故郷を走れる喜びを噛みしめつつ、『長野』以前から応援していただいた県民の皆さんへのお礼の気持ちも込めて走りたい」と話す。

ぐんま大使を務めるタレントの中山秀征さん(藤岡市出身)は高崎市のランナー。「万全の体調で頑張りたい。故郷で走れることに感謝。五輪の成功を祈っています」と意気込む。同じくぐんま大使の井森美幸さん(下仁田町出身)は富岡製糸場がスタート地点となる富岡市で走る。「選手の躍動した姿、日本の元気な未来、世界中の幸せを願って走りたい」とコメントしている。

東京写真記者協会事務局長で朝日フォトコン顧問でもある渡辺幹夫さんも高崎を走る。「トーチを持って一生懸命走りたい」と話す。

コロナ禍 延期を経て 一年越しの開催へ

2020年、ギリシアで採火された聖火は、同年3月20日に宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地に到着。国内でのリレーは同26日スタートの予定だったが、新型コロナの感染拡大を受け2日前に急きょ中止が決定、同年9月に改めて日程が発表された。

館林走者の見城さんは、1964年東京五輪で聖火最終ランナーを務め2014年に亡くなった坂井義則さんと早稲田大学同期で交流があったという。1年越しでの開催にあたり、「コロナ禍で練習を休んでいた時期もあったが、最近ようやく再開。五輪は選手にとって4年に一度の大切なチャンス。開催に向けてしっかり聖火をつなぐんだという思いで真剣に臨みたい。『坂井さん、頑張るね』」と意気込みを語った。

■高崎ではトーチ展示 きょう26日昼まで

高崎市役所1階ロビーできょう26日昼頃まで、聖火リレートーチの実物展示が行われている。

トーチはピンクがかった金(桜ゴールド)色で長さは71㌢、重さは1㌔(本体)。東日本大震災の仮設住宅由来の再生アルミニウムを含んだ素材で造られ、上から見ると桜の花に見えるデザインだ。当日はランナー1人につき1本ずつ用意される。

展示のトーチは実際にリレーで使われるものと全く同じ仕様で、燃料を入れさえすればすぐにでも使えるのだという。聖火リレーのプレゼンティングパートナーであるNTT東日本群馬支店が、群馬のリレーを盛り上げようと企画した。同支店総務・広報担当の小林桂さんは、「間近でトーチを見られるめったにない機会。聖火が来るワクワク感や期待感を高めてほしいですね」と話す。問い合わせは同支店(027-326-0131)へ。

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