残暑&コロナ吹き飛ぶクールな話題続々

夏の風物詩 かき氷

「桐生の思い出をカラフルに彩ってほしい」と呼びかけるかき氷事業部の内田ほのかさん(左)らイールドメンバー

近年、話題沸騰中の夏の風物詩「かき氷」。県内でも、かき氷をめぐるユニークな取り組みが続々と誕生している。今週は桐生に期間限定でオープンした大学生らによる新店舗や、地域活性を目指した食べ歩きラリーなど、残暑もコロナも吹き飛ぶような〝クール〟な話題を紹介する。      (上原道子)

旧工場改修した学生による手作り店

【桐生】
桐生市本町通りの路地裏で大学生らが今夏、立ち上げた期間限定のかき氷専門店「彩(いろは)」(横山町1の4)が大繁盛している。群馬大と共愛学園前橋国際大の学生有志でつくる団体「Yield(イールド)」が、かつての染織工場だった木造2階建て、築100年の建物を自分たちの手で改修し、7月にオープンさせた。

同団体の代表は「幼い頃から桐生となじみがあった」というみどり市出身の伊藤裕喜さん(22=群大医学部4年)。地元の人たちと、日頃接点が少ない桐生の学生との交流の場を作り、町を盛り上げたいという思いから友人らに声をかけ今春、同団体を発足。第1弾の家庭教師事業に続く第2弾として、かき氷事業をスタートした。

氷は、市内の氷販売店から調達した上高地の天然水氷を使用。シロップは甘みを抑えた5種類で、トッピングの練乳も含め学生らが手作りしている。建物が染織工場だったことにちなみ、イチゴミルク味の「薄紅」、抹茶ミルク味の「千歳緑」など、日本の伝統色をメニュー名に。市内から訪れた新井佑菜さん(16)と星野佳音さん(16)は「氷がふわふわ。果物の香りや果肉本来の味が感じられてすごくおいしい」と舌鼓を打った。

さらに、注文したかき氷の色のカードを近くの生花店「にしはら」に持参すると、同色の花1輪を特別価格で購入できるコラボ企画も。

かき氷事業部リーダーの中山息吹さん(19=群大理工学部2年)は、「当初は大人の利用が多かったが、夏休みに入り学生も増えてきた。自分たちの作ったシロップで涼しく笑顔になってもらえたら嬉しい」とほほ笑む。かき氷は9月30日まで。問い合わせは同団体メール(yield.12.kiryu@gmail.com)へ。

食べ歩きラリーで地域活性に一役

【県内各地】

「かき氷FES2020」では、各店舗が趣向を凝らしたオリジナルメニューを提供

県内の飲食店などが提供するかき氷の食べ歩きイベント「かき氷FES2020」が今夏、初開催されている(~9月30日)。「かき氷」をキーワードに、コロナ禍で苦境に立たされた県内の様々な業種の企業有志らが、「まちに元気を呼び戻そう」と企画。当初は一か所で行うイベントを想定していたが、感染症の収束が見えないことから、個々の客が各店に赴きかき氷を食べるスタンプラリー方式に軌道修正した。

現在、県内の専門店をはじめ和洋菓子店やレストラン、バーなど27店舗が実施。スタンプラリーに参加するには、無料コミュニケーションアプリ「LINE」のフェス専用アカウントの友達登録が必須だ。各店一押しのオリジナルかき氷やシャーベットを購入すると、注文個数分のポイントがアプリ上でたまり、ポイント数に応じて次回のかき氷代が割引される。

フェス実行委の堤真志さんは「様々な業種間で手を取り合い、手探りの状態で始めた新たな試みで、来年以降さらにパワーアップさせていく予定です。お店に足を運んでもらい、県内の消費拡大につなげられたら」と意気込む。
なお、参加店は現在も募集中で、今後も随時追加される。同事務局(kakigorifes2020@hotmail.com)。

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