科学は私たちが生きていることそのもの

たかさき絵本フェスティバル 第27回絵本原画展 「あれも これも それも かがく?!」

今年新たに発売される科学絵本『いきものづくしものづくし』(福音館書店)第1巻の表紙(展示作品)

新型コロナウイルス感染症の大流行となり、家庭で、職場で、地域で、今もなお先の見えない不安が続いています。私たち時をつむぐ会もリモート会議という新しいかたちで、たかさき絵本フェスティバル 第27回絵本原画展を開催するか否か何度も話し合ってきました。そして、「どんな形であれ開催したい!」という結論に至りました。

第27回絵本原画展のテーマは、「福音館書店の科学絵本」です。「かがくのとも」「ちいさなかがくのとも」「たくさんのふしぎ」など、50年以上にわたり科学絵本を作り続けてきた福音館書店の科学絵本を取り上げ、福音館書店の「かがく」の姿勢を展示したいと思っています。科学というと、難しそうとか、理数系は苦手だからと敬遠する人もいるかもしれません。ですが、科学は私たちが生きていることそのものなのです。図らずもこのコロナ禍において考えさせられるテーマになりました。

展示する作品は、最新の科学絵本のシリーズ『いきものづくしものづくし』やテレビの教育番組でもおなじみの佐藤雅彦さんの絵本、私たちが暮らす群馬の空を取材した『にゅうどうぐも』、最新の研究に基づいた『羽毛恐竜』などです。原画を見たり絵本を読んだりすることで、子どもたちは虫や植物はもちろん、自分自身や、普段目にしているごくありふれたものも実はすべて科学であることに気づいてくれるのではないかと期待しています。また、原画は美しい水彩画やあっと驚く写真、緻密な切り絵など、圧倒的な存在感を放つ作品ばかりです。作家や編集者が込めた思いや創意工夫をどう見せるか、作品ごとに展示方法にもこだわりました。

コロナ禍での開催となりますが、日々変わっていく状況をきちんとキャッチしながら、皆さんに安心して展示を見てもらえるよう準備を進めています。こんな時ではありますが、第27回たかさき絵本フェスティバル開催に向けて頑張りますので、応援していただけると嬉しいです。

 

時をつむぐ会会員
熊倉 史子さん

第27回絵本原画展の展示企画に参加するほか、会報誌の執筆を担当。現在学芸員として竹久夢二伊香保記念館に勤務。

【展示会情報】「たかさき絵本フェスティバル 第27回絵本原画展 あれも これも それも かがく?!」・会期/2021年1月23日~2月2日・時間/10時~18時(入場は17時30分まで)・会場/高崎シティギャラリー 第1展示室・予備室・入場料/おとな1000円(前売り800円)、こども500円(4歳以上18歳未満/前売り400円)団体(10名以上)おとな500円、こども300円(年少以上)・主催(問い合わせ先)/NPO法人 時をつむぐ会〒370・0852 高崎市中居町4・31・17 ☎027・352・4613

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