開放的な自然の中で過ごし、新しい姿を発見して(Vol.168)

のんびり森を散策し、沢では生きもの探しやおままごとを楽しむ子どもたち=前橋

NPO法人あかぎの森のようちえんは、「森のようちえんプログラム」と題し、主に県内の幼稚園・保育園・こども園を対象に多彩な自然体験活動を提供しています。

1950年代、北欧で発祥した「森のようちえん」は、自然環境を利用した幼児教育や子育て支援活動のことで、日本では2000年代から全国各地で活動を開始する団体が増えてきました。県内にも「自然保育」や「自然育児」などという名称で様々な団体が設立されてきている中、「あかぎの森のようちえん」は2012年に活動をスタートし、翌13年にNPO法人格を取得しました。

幼少期に自然体験活動を行なうメリットは、たくさんあります。日々変化する自然の中で過ごすことから学ぶ「自然のこと」、自然への興味・関心が広がっていくことによる「好奇心・探究心の芽生え」、変化する自然に対応するために「自分自身を変化させていく(適応していく)こと」、初めてのことに「挑戦して達成する」経験など、これからの100年時代を生きていくために必要とされる『非認知能力』などを育むことができると言われています。

自然の中で過ごす子どもたちは、自然体そのものです。開放的な自然に触れることで、普段の生活ではなかなか見ることができない姿も見られます。「こんな一面があったんだ」という、先生方も知らなかった子どもたちのことが、自然環境の中に身を置くことで発見できるようです。

自然の中は、「園庭では体験できないこと」「様々な生きものが共存する多様性」で溢れた場所です。「非日常的」な体験の機会を得ることで、子どもたちは自ら学ぶ力を発揮してくれると感じます。これからも、多様性に溢れた学びの機会を子どもたちへ提供できるように活動を続けていきたいと思います。

なお、「あかぎの森のようちえん」は園対象の活動以外にも、一般の方を公募する形で事業を実施しています(詳細はWEBページを参照)。興味を持った方はぜひご参加ください。自然の中で過ごすことで感じる変化・成長、今まで気付かなかったお子さんの様子を体感していただけると思います。。

NPOあかぎの森のようちえんHP https://akagi-moriyou.com/

NPO法人あかぎの森のようちえん 理事長
橳島 隼人

【略歴】82年生まれ。藤岡工業高校・高崎保育専門学校を卒業後、障害者支援の仕事をしながら「社会教育」のボランティア活動を行なう。2011年の震災をキッカケに翌12年1月、「あかぎの森のようちえん」を発足。県内の幼稚園・保育園・こども園を対象にした「幼児向け自然体験活動」の提供を始める。「社会教育ボランティア」の経験を生かし、子どもと関わる現場職員向けの研修会講師なども務める

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