開館30周年企画展「星野富弘詩画の世界」

今月3日から開催中 富弘美術館(みどり市)

みどり市の富弘美術館では、美術館開館30周年の企画展「星野富弘詩画の世界―明日へ続く道―」が開かれている。8月29日まで。

勢多郡東村(現在のみどり市東町)出身の星野富弘さん(74)は、群馬大学卒業後、頚髄を損傷してから、口にくわえた絵筆で詩画を描くという独自の作品を制作し続ける。1991年に同市の草木湖畔に開館した富弘美術館は今年30周年。累計の入場者数は間もなく700万人に達する。

同館では、約50年間の星野さんの作品を初期からたどり、作風に何度も変化が起きていることに注目。作品がどうしてどのように変化したのか、その時星野さんはどのような様子だったかが分かる展示に工夫した。

最初に登場する第1章は幼少期や負傷した頃を紹介した「詩画が誕生するまで」。次の第2章は、「初期作品とペン画」。第3章には「1980年~1993年の作品」、第4章には「1994年~2010年の作品」、第5章「2011年~現在の作品」まで、作品と関連する資料約100点を展示した大規模な企画展になっている。

伊勢崎市から来館した長谷川宏美さん(40)は、「大好きで何度も足を運んでいます。心がすさんでいる時も、富弘さんの絵画で温かくなります」と笑顔。聖生清重館長(74)は「山間の小さな美術館として開館して30周年、全国や海外からも多くの方に来館いただいてうれしい限りです。私と同級生でもある星野富弘さんの作品が放つ感動をぜひ味わってください」と呼び掛ける。

「悲しみの意味」(2002年)

5月15日は午後1時半から記念式典を予定。6月26日、7月24日、8月28日の午前10時半と同11時半からは杲の会による朗読会。6月12日、7月10日、8月14日午後2時からはギャラリートークを行う。7月17日の午前11時半と午後1時半からはLivelyによる季節の朗読会。

開館時間は、午前9時~午後5時。3月末までと5月31日の月曜日休館。入館料は一般520円、小中学生310円。同館(0277・95・6333)。

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