障害者手帳[コロナ禍で、東京に住む80代の両親とは正月以来…]

上州日和タイトル

コロナ禍で、東京に住む80代の両親とは正月以来、電話だけでずっと会えなかった。

先月、感染予防対策を取った上でマイカーで半年ぶりに、県境をまたぎ実家を訪れた。父親は「よく来たね」と笑顔を見せ、母親は手料理でもてなしてくれた。ビールで乾杯して、互いに再会を喜び合う。

すると、父がカバンからゴソゴソと障害者手帳を取り出した。難聴がひどくなり、かかりつけ医に申請を勧められたという。電車やバスに乗って、大学病院の指定医を訪れ、検査して認定をもらい、市役所の窓口で書類を提出。時間をかけて、複雑な申請の手続きを自ら行ったと聞き、大変さが伝わってきた。

障害を抱えている父親に付き添ってあげられなかったことを詫びたが、父親は今後受けられる福祉サービスの話を披露してくれ、むしろポジティブな様子。母親も「お父さん、良く頑張ったよね」とビールを注いでいる。

何かあったらと覚悟はしているつもりだが現在、両親はギリギリではあってもマイペースな日常生活を楽しんでいた。逆に自分の方が励まされ、群馬に帰る。負けてはいられませんぞ。お互い元気で頑張りましょう。

(谷 桂)

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