養蚕農家さんの声や姿が伝わる飼育展示を(Vol.40)

お蚕を話題に訪問者との会話も弾む=甘楽町の古民家かふぇ「信州屋」
お蚕を話題に訪問者との会話も弾む=甘楽町の古民家かふぇ「信州屋」

今月11日から甘楽町の古民家かふぇ「信州屋」(甘楽郡甘楽町小幡7)で、お蚕の飼育展示が始まりました。約7500頭のお蚕を、町民の方々からご提供いただいた養蚕道具を用い、昔ながらの「棚飼い」で飼育しています。

この企画に先立ち、お蚕の飼い方、桑園の管理の仕方といった養蚕の基本技術を習得するために、今年の春から甘楽富岡地域の現役の養蚕農家さんのもとで、研修を受けました。

研修ということなので、農家さんの一言一句を頭に入れたくて、小さなノートとペンを常に作業着のポケットに。毎日の作業終了後にノートを見返し、まとめるのですが、そこで私は農家さんがポロっと口にした人生訓のようなことばを思い出して書き足すようにしました。「おけえこ(蚕)は一生けえこ(稽古)」、「この作業、このひと手間を加えられるか。どの分野でも、一流と二流を分けるのは、僅差なんだ」、「自分は不器用だったから、ここまで養蚕の道を突きつめることができた」、「お蚕がくると曲がりそうな背筋もまっすぐになってくる」。

長年の経験より引き出される言葉は、お蚕の飼い方だけではなく人生の歩み方を教えてくれるもので、どれも心に染み入ります。養蚕の技術とともに大切にしていきたいと心より思いました。

今回の飼育展示では、お蚕のことについて分かりやすく伝えるのはもちろんですが、お蚕と長年向き合ってきた人々の姿や声もまた紹介することで、幅広く養蚕の魅力を伝えるお手伝いをしていきたいと思います。お蚕の見学と養蚕体験にぜひお越しください。

 

甘楽町地域おこし協力隊
浅井 広大 さん
【略歴】88年静岡県生まれ。大学卒業後、青年海外協力隊としてネパールで2年間、きのこ栽培技術の普及に従事。帰国後、NPO法人自然塾寺子屋(甘楽町)でのインターンを経て、16年4月から現職。

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