魅力[今年の魅力度ランキングで群馬は過去最高位の40位だったと発表された…]

今年の魅力度ランキングで群馬は過去最高位の40位だったと発表された。茨城(海があるのに!)と、栃木(日光があるのに!)より上位なことに驚く。

この順位を不当だと怒る人もいるようだが、前橋の片田舎で半世紀近くを過ごした私は、ちょっと面白いと思っている。まわりの反応も概ね同じなので、私が特別心が広いわけでもない。怒る感情も、県民がどんな酷評をも自虐ネタにし面白がれる余裕も、どちらも心の奥底にあるゆるぎない群馬愛から生まれるのだろう。

20年ほど前にブータンを旅したことがある。「世界一幸福度が高い国」と一時話題になったその国は、豊かな田園風景が広がる景色と控えめな国民性が日本にとてもよく似ていた。民族衣装の着用義務など伝統を重んじる一方で、若者はとても流暢な英語を話す先進的な国でもあった。ブータンに魅力を感じ、旅先に選ぶ人は少ないかもしれない。けれど、住む人が幸せに思える何かが確実にそこにはあったように思う。

群馬もたぶんそうなのだろう。わかりやすい派手さはないけれど、ここにしかないかけがえのない魅力があって―。一番になれなくても世界中どの町も持っているはずのそれを、言葉にして伝えていけたらと思う。

(塩原亜希子)

 

 

掲載内容のコピーはできません。