教育関係者ら招き ICT教育研究会

学び止めるな!

共愛学園中学校・高等学校

共愛学園中学校・高等学校(前橋・飽田哲也校長)は先月19日、教育関係者を対象にICT活用の研究会(県教委後援)を開いた。約70人が来場し、40人ほどがオンラインで参加。同学園での外部向け教育研究会は創立以来初という。

ICTとは情報通信技術のこと。昨年末、文部科学省がGIGAスクール構想として、学校の通信環境整備と児童・生徒への情報端末配布を提唱したことや、今春のコロナ流行で多くが休校する中、同校のようにネットを通じ指導を行った学校があり、教育現場での活用に関心が集まっている。

同校は昨年、全生徒に情報端末のタブレットを配布。さらに、今年は生徒の理解度に応じ、個別に課題を提供するアプリケーション「キュビナ」を数学と英語で導入している。

公開授業では、中1生らがタブレットで数学の方程式に取り組んだ。指導教諭の管理画面に全員の解答状況が並び、さらに「手が止まっていた」「解答をあまり読んでいない」など、各人の状態まで表示されると、見学者から驚く声が上がった。中1の相澤友里さんは「教科書は問題量に限りがあるが、キュビナは色々なものに取り組める。家でも毎日30分ほど使う」と話した。一方、高2生の数学は3人ずつのグループ=写真=で、互いに相談しながら関数に取り組み、指導教諭が巡回しアドバイスを加えていた。

同校の松本拓教諭は「成績把握や授業の効率化などで、教員の負担が軽減される。今後求められるのは専門的な知識を持ち、支える立場から関わることではないか」と話した。さらに良い傾向として、同校の天川正副校長は「熟練教員は自身のやり方に固執しがちだが、アプリ導入以来、若手とベテランが指導法を活発に話し合うなど良い環境になった。こちらも大きな成果」とほほ笑んだ。

掲載内容のコピーはできません。