バーチャルで遺跡めぐり

県が開発したスマホアプリ「榛名山古代遺跡タイムトラベル」

噴火に襲われる直前の人々の暮らし
=金井東裏遺跡(渋川)

県は、榛名山の噴火に埋もれた2つの遺跡「金井東裏遺跡(渋川市)」と「三ツ寺Ⅰ遺跡(高崎市)」についてバーチャル・リアリティの世界で体感しながら楽しく学べるアプリ「榛名山古代遺跡タイムトラベル」を開発。配信を開始している。

現地を訪れてアプリを起動し、スマートフォンやタブレット端末をかざすと、忠実に再現された1500年前の様子を360度のパノラマ画像で視ることができる。「金井東裏遺跡」では、話題になった「甲を着た古墳人」の生前の姿や当時の村の人々の暮らしが、全国で初めて古代豪族の居館跡が見つかった「三ツ寺Ⅰ遺跡」では、館での祭祀の様子が再現される。

祭祀を行う人々の様子
=三ツ寺Ⅰ遺跡(高崎)

ほかにも、各遺跡に4カ所ずつ設定されたビューポイントで詳しい解説やクイズが楽しめるようになっており、クイズで全問正解すると、古代人になりきれるオリジナルフォトフレームで撮影ができる。アプリのダウンロードは無料。VRコンテンツは現地でのみ視聴可能(三ツ寺Ⅰ遺跡は、かみつけの里でも視聴できる)となっている。

榛名山の大きな噴火は、古墳時代に2度起きている。噴火で堆積した火山灰や軽石は、遺跡を良好な状態で後世にのこす役割を果たしており、県内では火山の災害により、当時の生活の様子がそのまま残った貴重な遺跡が数多く発見されている。

県の担当者は「地道な発掘調査により明らかになった古代人の豊かな暮らしを、ぜひ現地を訪れ体感して欲しい」と話す。問い合わせは、県地域創生部文化振興課(027・226・2525)へ。

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