東京五輪 出場選手を出身校応援

今月23日から始まる東京五輪。夢の舞台に登場する田村紀佳選手(高崎商大附高卒、フェンシング・女子サーブル)、村上和基選手(前橋育英高卒、男子シンクロ高飛び込み)、貴田裕美選手(共愛前橋国際大卒、女子マラソンスイミング)を、各出身校が激励する様子を取材した。             (谷桂、上原道子)

前橋育英高卒
男子シンクロ高飛び込み
村上和基選手

コーチとともに出場を報告

前橋育英高で開かれた激励式の様子(写真右から金子校長、水泳部部長の羽鳥さん、村上選手、毒島コーチ)

東京五輪に出場が決まった男子シンクロ高飛び込みの富岡市出身の村上和基選手(32)=三重県スポーツ協会=が、現在コーチで元同校教諭の毒島泰士さん(東京スイミングセンター)と一緒に今月7日に、出身校の前橋育英高校を訪問した。同校では、懸垂幕を掲げ、金子雅人校長、中村義寛理事長らが出迎えた。村上選手の在学時に水泳部顧問だった金子校長は、「懐かしいな、久しぶりだね。出場おめでとう。応援しています」と笑顔で激励をした。同校水泳部の部長を務める羽鳥雄大さん(18)が花束を渡し、「同じ部活の先輩が五輪に出場するとはすごいです。自分たちも一層励みたい」と応援の言葉を語った。

SPECIAL INTERVIEW

―始めたきっかけは?
小学4年生の頃に群馬ダイビングクラブで飛込を始めました。宙返りが面白そうと、富岡から前橋敷島のプールまで通いました。

―競技の魅力は?
10mの飛び込み台に立って、空中で演技をして入水します。空中での美しさやジャンプの高さなどを競う約2秒間にメンタルが試されます。

―母校の応援をどのように感じますか?
飛び込みの先輩、毒島先生の背中を追いかけ、3年間の青春全てをここで過ごしました。人生形成した前橋育英高校が自分は一番大好きです。高校の先生や生徒さんから応援されてとてもうれしいです。

―五輪への思いは?
高校3年生の時、日本選手権で優勝したのがターニングポイントでした。それから五輪が目標になり、北京五輪から夢を追いかけて、東京で出場が決まりました。ライバルは自分自身ですので、メダルを目指してしっかりと思い切りの良い演技をしたいです。競技は26日ですが、実は同じ日に入籍も予定しています。良い日になるように頑張ります。

むらかみ かずき/1989年、富岡市出身。小学4年生のとき、高飛び込みを始める。前橋育英高校在学中に、初の日本代表。06年アジア大会で高飛び込み4位。07年には、日本選手権初制覇。09、11、17年世界選手権代表。

 

高崎商大附高卒
フェンシング 女子サーブル
田村紀佳選手

激励会 校内放送&花道で応援

高崎商大附高では生徒や職員が花道を作り、拍手で田村選手にエールを送った

東京五輪フェンシング女子サーブルに出場する沼田市出身の田村紀佳選手(30)=旭興業=は、今月1日、公式ウェアに身を包み、母校の高崎商大附高を訪れた。

同高では、校内の放送スタジオと各教室を中継でつなぎ、オンラインでの激励会を行った。安齋義宏校長が「田村さんの出場が決まってうれしいです。活躍を期待します」と激励の言葉を贈った。 在校生を代表して、生徒会長の北村珠里亜さん(17)が「自分の通っている学校に五輪選手がいることを誇りに思います。私も田村さんのように活躍できる人になりたいです。頑張ってください」と花束を渡した。

田村選手は、「生徒の皆さんもコロナ禍で大変だと思いますが、目標を立てて学校生活を送ってください。メダルを目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします」と意気込みを語った。

続いて、フェンシング部で指導をした顧問の砂山雄一郎教諭が解説しながら、世界の舞台に立っている田村選手の試合動画を披露。2人は、競技の面白さや難しさ、高校時代の思い出をはさみながら生徒に語り掛けた。

最後には校門前で生徒が花道を作り、日本代表として戦う先輩を拍手で見送った。

たむら のりか/1991年、沼田市出身。小学2年から沼田フェンシングクラブに所属した。高崎商大附高に進学後は、砂山監督に指導を受け、2008年にJOCジュニア五輪カップを制して世界選手権出場。16年には、ワールドカップ3位。19年には、アジア選手権で2位と活躍。

共愛前橋国際大卒
女子マラソンスイミング
貴田裕美選手

「集大成の泳ぎを」 横断幕でエール

「県民の皆さんの応援が力になっています。最後まで応援していただけたら嬉しい」と語る貴田選手(写真提供 コナミスポーツ)

前橋市小屋原町の共愛学園前橋国際大キャンパス道路沿いには、海上で行う長距離水泳競技OWS(オープンウォータースイミング)の一つ、マラソンスイミングに出場する貴田裕美選手=コナミスポーツ所属=の横断幕がお目見えした。このほか学内にも「祝 貴田裕美選手」と書かれた大型看板を2カ所に設置し、学生や地元が一体となって祝福するムードを高めている。

キャンパスにお目見えした横断幕

貴田選手が学生時代、水泳部顧問だった同大の今泉一吉さん(58)は「本人はこの大会出場を目標に頑張ってきた。水泳人生の集大成を見せてほしい」と期待を寄せる。貴田選手は8月4日午前6時半からお台場海浜公園で行われる女子10kmに登場。

きだ ゆみ/1985年、埼玉県生まれ、3歳から高崎市在住。高崎北高、共愛前橋国際大卒。もとは競泳自由形中長距離選手で世界選手権にも出場。OWSが五輪正式種目となったことで2010年に転向。先月、五輪最終予選女子10㌔で東京出場権を獲得、3大会連続の代表を決めた

掲載内容のコピーはできません。