4人組ロックバンド G-FREAK FACTORY

「20年経っても抜けないのが『群馬時間』。東京のスピード感に全くついていけない」と笑うジーフリークファクトリーのメンバー(左からギターの原田季征さん、ベースの吉橋伸之さん、ボーカルの茂木洋晃さん、ドラムの家坂清太郎さん)=9月3日、足利のライブハウス大使館で撮影

「どんなに格好つけても田舎臭は消えないし、それが俺達のアイデンティティ。自分達の音楽に嘘をつがず、一直線に向かっていくしかない」

「群馬のローカルヤンキー、足利の大使館に初見参!」 今月3日、足利のライブハウスで開かれた「風林花山」ツアーのステージに登場したG-FREAK FACTORYは、7月に発売したシングルCD「風林花山」収録曲などを熱唱。詰めかけたファンを興奮の渦に巻いた。97年のデビュー以来、群馬にいながらにして日本の音楽シーンに戦いを挑み続けている。今夏、大ヒットした映画「お前はまだグンマを知らない」の主題歌とエンディング曲を担当。その名を一躍全国区のものにした。明日23日、前橋で開かれる「山人音楽祭」では演者とオーガナイザーを務める。今年20周年を迎えるローカルバンドのボーカル茂木洋晃さんにライブや音楽、バンド活動への思いを聞いた。

【常に「最高」を更新】

Qライブで大切にしていることは

良くないものをしたら、その場にいる人たちと一生縁がなくなってしまう。だから毎回、前回を超えるライブをしようという気概で舞台に立っている。常に「最高」を更新し続けていく。たった80分に全人生を賭ける。世間的に見たら凄く非合理的なことをやってるけどね(笑)。

Q最高を更新するには

ライブって感覚的でフィジカルなもの。だから頭でやると直ぐにバレる。普段、食べてきたもの見てきたもの感じてきたもの全部出ちゃうから毎日、しっかり生きなきゃいけない。常に周りの人から色んな発想や視点をもらうようにしています。

【俺たちしか作れない歌】

Qおまグンの主題歌「風林花山」を担当しました

昨秋にオファーを受けました。初めてのことだし殺人的スケジュール。でも、群馬しょってる主題歌を俺らがやらなければ誰がやると。お蔭でシングル制作や全国ツアーも決まった。本当にありがたかったです。

Q主題歌はどう制作したのですか

まず、イメージを膨らませるために原作と映画の台本を読みました。群馬をカタカナで書いていたり、自虐が過ぎたり。正直、最初はあまり良いイメージがなかった。でも、読むうちにこの作者、群馬をトコトン調べているし愛しているなと。ネガティブも見方次第でポジティブになる。群馬県民でいることの誇りを抱かせる設定が多く、凄く共感できた。だから、俺らも群馬について間違っちゃいけないから出来る限り調べた。それこそ県花って何ってところから。漫画タイトルを引用した曲中の一文「お前はまだお前を知らず」から書き始めたが、群馬に向けた歌でありながら群馬だけにとどまっちゃいけない、そんなメッセージを込ている。今しか、俺たちしか作れない歌だと自負している。

Q一方のエンディング曲「REAL SIGN」は

ループサウンドにループのワードを乗せるという、今までにない曲作りをしている。ダークな曲調に「帝国」など群馬をフューチャーした言葉を詰め込んだ。スパイスの効いた、中毒性のある曲に仕上がっていると思う。

Qこの2曲を収録したシングルCD「風林花山」に込めた思いは

当初、タイトルは風花だった。全国でも限られた土地だけに起こる現象で、群馬を形容するのに素敵だなと。でも、諸事情から断念。そこからひねり出したのが「風林花山」。「風があり、林があり、花があり、山がある」。俺たちが住んでいるところを全て表現している言葉。「一人一人が群馬で大きな花を咲かせて欲しい」という願いを込めて作った。

【単純に群馬が好き】

Qずっと群馬を拠点に活動をしていますね

20年間変わらずローカルバンドとしてやってきた。東京だけにあたっているスポットライトで群馬を照らそうやって。俺たちにとって地元でやることが未来に繋がると信じているから。まあ、単純に群馬が好きなんですよ(笑)。

Q20年続けられた原動力は

それこそ、解散するチャンスはいくらでもあった(苦笑)。メンバーが俺1人になって辞めざるを得ない状況に陥りかけた時もあったけど、気付いたらまたバンドをやっていた。今、その時の悔しさを取り戻すかのように全力疾走している。いっぱい後悔したことが今の原動力になっているのかもしれない。群馬にいながら一線で活躍するバンドと勝負するという、無謀なことに挑んでいるが、最後は楽しかったと言いたいし惜しまれながら終わりたい。でも、その境地には至らないから、やり続けるんでしょうね、ずっと。ある意味、病気ですよ病気(笑)。

【唯一無二の音楽フェスに】

Q山人音楽祭で演者に加え、オーガナイザーも務めています

昨年からプレイヤーと裏方をやらせてもらっているが、一夜を作る時に大切なのは出演者、企画者、お客がそれぞれの人に感謝すること。歌ってやってる、出してやってる、観てやってるではダメ。3者が三つ巴になって初めてフェスは成功する。ピッチャーとキャッチャー、両方体験したからこそ分かる真実です。

Q山人音楽祭で目指すものは

唯一無二のフェス。出演バンドに頼るのではなく企画そのもので勝負する。将来的には群馬のバンドだけでやりたい。やめてしまった地元バンドを引っ張り出し、これから地域でやっていく音楽仲間を増やすには俺達がもっと力をつけ、今以上に「濃く速く高く」活動しないといけない。だから、山人でこだわるのは規模感。大げさにしないと全国から人は来てくれないし注目も集まらないから。

【「らしく」ありたい】

Qバンドとしての信条は

世に出るにはバンドの勢いや周りのスタッフなど全てが揃わないと無理。そのくらい水物だから、誰かや何かに合わせるのではなく振り子の頭になればいい。どんなに格好つけても田舎臭は消えないし、それが俺達のアイデンティティ。自分たちの音楽に嘘をつがず、一直線に向かっていくしかない。オグリキャップのように、いつか俺たちも並み居る良血馬たちを差しにいきたいですね。

Q今後の目標は

うまくなるよりも、「らしく」ありたい。来年はリスペクトする先輩たちが踏んだ舞台に立てるよう準備をしていく。ローカルを武器に大きな山に向かって突き進むしかない。

Q群馬のファンの皆さんにメッセージを

群自分たちが暮らす群馬って、そんな悪くないぞと言いたい。アクティブにやっていくことで自分も周りも変わっていく。ムードって大事。今、俺たちは音楽で張りきってるけど、一人一人が何かを張りきっていけば間違いなく群馬はもっと面白くなる。引け目なく負い目なく、一緒に群馬を盛り上げていきましょう。

文/写真・中島美江子

【プロフィル】G-FREAK FACTORY
79群馬出身の4人組バンド。メンバーは原田季征さん(Gt)、吉橋伸之さん(Ba)、茂木洋晃さん(Vo)家坂清太郎さん(Dr)。
97年から群馬を拠点に活動を続ける。今夏、群馬県を舞台にした漫画「お前はまだグンマを知らない」の劇場版主題歌「風林花山」、エンディング曲「REAL SIGN」」を担当。この2曲を含む4曲収録したシングルCD「風林花山」を7月に発売。今月2日から来年2月まで「風林花山」ツアーを敢行中。