8月28日は「はにわ」(8 2 8)の日 

日本一のはにわ県 今夏、埴輪がアツい!!

「は(8)に(2)わ(8)」と読む語呂合わせから、8月28日は「はにわの日」とされている。国宝・国指定重要文化財の埴輪の約半数が出土するなど、質量共に「日本一のはにわ県」として名高い群馬県。今週は県立歴史博物館で開催中の国宝記念展を始め、かみつけの里博物館に大集合した多彩なミニチュア埴輪や人気の県オリジナルアプリ&ガイドブックなど、埴輪を巡るアツい話題を紹介する。        (上原道子、塩原亜希子、中島美江子)

国宝記念 綿貫観音山古墳出土の埴輪が一堂に 【高崎 県立歴史博物館】

東国古墳文化展示室で公開中の綿貫観音山古墳の埴輪資料

綿貫観音山古墳(高崎市綿貫町)の出土品が国宝指定されることを記念し、県立歴史博物館(同市)では企画展「綿貫観音山古墳のすべて」と、関連展「綿貫観音山古墳の埴輪世界」を9月6日まで同時開催中。綿貫観音山古墳から出土した副葬品と埴輪の一部は常時、東国古墳文化展示室で公開されている。今回は国宝指定を記念し、企画展示室で副葬品、同文化展示室で埴輪のほぼすべてを展示している。

同文化展示室には、「三人童女」など常設の埴輪に加え、普段は公開されていない貴重な埴輪の数々が並ぶ。「振り分け髪の男子」といった人物埴輪から馬を象った動物埴輪、住居を模した家形埴輪、土管状の円筒埴輪まで、出品されている約160点は多彩で埴輪の豊かな世界が楽しめる。同館の右島和夫特別館長は、「国宝や国重要文化財に指定されている埴輪の約半数が群馬から出土していますが、なかでも最高の価値付けがされたのが綿貫観音山古墳の埴輪です。群馬の歴史や文化を語る上で欠かすことのできない埴輪資料を通して、これらを生み出した古代群馬の人々の暮らしや精神性、地域力などを感じてもらえたら」と話す。

埴輪缶バッジをゲットした親子

また、今回の展示に合わせイベント「国宝発見」も実施中。企画展に関するクイズに答えると、もれなく埴輪缶バッジ1個がもらえる。可愛らしいバッジは14種類あり、子どもはもちろん大人にも人気という。同館の教育普及担当の下田裕康さんは、「展示を観て、クイズに答えて、楽しみながら郷土の宝の素晴らしさに触れて欲しいですね」とほほ笑む。

一方、同館ミュージアムショップでは、マスクや巾着、コースターなど埴輪グッズを豊富に取り扱う。ショップ担当の橋本恵さんは、「夏の売れ筋は円筒埴輪をデザインした扇風機やうちわ。展覧会の思い出に、可愛らしい埴輪グッズも一緒にいかがでしょう」と呼びかける。入場料一般700円、大高生350円(埴輪展のみ一般300円、大高生150円)。同館(027・346・5522)。

ミニチュアずらり&グッズ勢ぞろい 【高崎 かみつけの里博物館】

国指定史跡の保渡田古墳群に隣接する高崎の「かみつけの里博物館」には、榛名山麓で出土した5世紀後半の人物埴輪や動物埴輪などが多数展示されている。現在開催中の企画展「わくわく博物館体験」(~11月1日)では、技術者になったつもりで古墳の形や埴輪、副葬品などを自由に選択しオリジナル古墳を作る体験コーナーに、多彩なミニチュア埴輪が大集合。声が聞こえてきそうなストーリー性のある展示は見ているだけでも楽しめる。また、「ミュージアムグッズでみるかみつけ博」と題した特設コーナーでは、同館がこれまで制作したユニークなオリジナルグッズ約50点と共に、同館の歴史を振り返る。なかでも、同館のシンボル的な「盾持ち人埴輪」をモチーフにしたグッズの数々は遊び心満載で好評だ。新発売のマスキングテープはショップで販売中。入場一般200円、大高生100円。同館(027・373・8880)。

なお、近くの八幡塚古墳では周囲に並ぶ多様な埴輪を間近で見ることができる。

楽しく遊んで、読んで、埴輪博士に!【県公式ガイドブック&育成アプリ】

県は今春、スマホ用埴輪育成ゲーム「群馬HANI‐アプリ」の配信と、県公式埴輪ガイドブック「HANI‐本(ハニぼん)」の発売をスタートした。どちらも県出土の埴輪について楽しく学べると話題だ。今月20日には、もうひとつの語呂合わせの「はにわの日(8月20日)」を記念し、アプリをバージョンアップ。クイズやチェックポイントの数が増えるなど、更に楽しめる内容になっている。

2018年に実施した人気投票「HANI‐1グランプリ」や、今年、綿貫観音山古墳出土の埴輪が国宝に指定されるなど、埴輪への注目が高まっていることから県が制作した。

育てる喜びと、遊びながら埴輪について学べるところが魅力のアプリのダウンロード数は、約2万件(8月25日現在)に上る。埴輪のキャラクターにごはんをあげたり遊んであげたりしながら育てると、県出土の埴輪に成長。育てた埴輪と、チェックポイントになっている博物館訪問などでゲットできる「お友達埴輪」を並べて自分だけの古墳が作れる。世話をサボるとグレて家出をしたり壊れてしまうことも。個性的な埴輪のキャラクターたちは、県内の専門学校生が描いた。

一方、アプリと共に発売された県公式埴輪ガイドブックでは、全国屈指の質・量を誇る群馬県の埴輪の中でも厳選した200体を紹介。県立歴史博物館の右島特別館長監修のもと、埴輪誕生の背景や豆知識、県出土の個性豊かな埴輪たちを様々な写真でユーモラスに解説。日本を代表する作家・坂啓典さんによるペーパークラフトも収録されており、楽しく学べる冊子になっている。県の担当者は「アプリや本を入り口に県出土の埴輪に興味を持ち、知識を広げてもらえれば」と話す。県文化振興課(027・226・2525)。

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